魔女に捧げる愛の詩《うた》
夢神 蒼茫
魔女に捧げる愛の詩《うた》
窓より入る月明り 不安な私を包み込む
静かに開くその扉
あなたの笑みが眩しくて 私は顔を赤らめる
白く輝くその
腰に回したその腕で 抱き寄せられるこの体
今この時は大胆に 小さな胸を押し当てる
思慕に心を燃えさせて 私はそっと目を閉じる
口と口とが触れ合って 舌と舌とが絡み合う
今の今までこのような 口づけなどは覚え無し
愛に溺れしこの身では 支えなしでは生きられぬ
そしてあなたは手を放し 私は後ろに倒れ込む
投げ出されしはこの体
あなたは覆いかぶさって 指が
その手が肌を
巧みな手管に抗えず 真弓のように反り返る
あるいは肌を振るわせて 乱れる
震う私に微笑んで 登りて下りる熱い股
赤い瞳が見つめるは よがりて狂うこの私
あなたの術に捕まって 魔女の
気付けば窓に日が昇り 小鳥
昇る朝日は輝いて 魔女の瞳を見てるよう
愛しの魔女は消え去って さながら夢か幻か
それでも魔女はここにいた 波打つ
これはそのまま置いておく
乱れた
今日は風呂にも入るまい 愛撫のあとが消えぬよう
部屋の扉も閉めたまま あの思い出が飛ばぬよう
昨夜の記憶この胸に 寝床が私を
横になりては香り行く その残り香が鼻をつく
夢見心地のこの時を ずっと続けと乞い願う
このまま鳥になりまして あなたの側へ飛び立つわ
しかし私は籠の中 羽ばたくことは夢の夢
言い表せず口下手で 思い
そんな私が好きなのは この世に一人あなたです
~ 終 ~
魔女に捧げる愛の詩《うた》 夢神 蒼茫 @neginegigunsou
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