わかるわかる、と思いながら読みました。おっさんが頭の中で考えていることが文章になっている、そんな構成なんですが、「わかる。駅弁ひとつ買うにも頭の中じゃ色々考えてるよね」と共感しながら読み進めました。ほんとにこのおっさん、いろんなこと考えてます。おっさんの思考と、めちゃめちゃ美味しそうに駅弁をむさぼるシーン、まさに孤独のグルメのようで最後まで楽しく読めました。シリーズ化してほしい一作です。
本作品は仕事で出張しているおっさんが、電車に乗って、駅弁買って、むしゃむしゃするお話です。え? それだけ? って思うかもしれませんが、これが意外と面白い!それもそのはず。なんというか、漫画『孤独のグルメ』にも似た雰囲気で、日常的な場面を切り出しつつ、食事を通して感じるポリシーや思い出話。それらを勝手にペラペラしゃべり、テンポよく進む話は何とも言えない笑いがある。これは一読の価値あり!短篇ですんなり読めるのもまたいいですよ!
おっさん一人の旅に、駅弁選びと食べ方、ポリシー。そして、過去の思い出話と、孤独と楽しむ。漫画『孤独のグルメ』を見ているかのようでした。作者さんも意識して書いたって言ってますし、ゴローちゃんに置き換えても違和感なさそうな雰囲気。
もう、その一言に尽きます。ぼちぼち読んでおりますと、テレビもしくは漫画でかの作品を知っている人は、すぐ、気付くことでしょう。登場する駅弁が幕の内ではなくすべて「特殊弁当(その地名産の弁当)」であるところが、この作品の決め手です。どんな弁当が出て来るかは、読んでのお楽しみということで。「いただきます」