まるで、緻密で、壮大な仕掛け絵本のよう!

舞台は子供たちが魔術を学ぶ学校。
主人公の少女:アリスは、幼いころの記憶を失っていますが、明るく学校生活を楽しんでいます。
ある日アリスは、クールな男装の麗人:シェリーに出会います。
その出会いは、少しずつ、でも大きく二人を、周囲を変えていくのです。


読み始めて、すぐに思いました。
「なんて、丁寧に作られた世界なんだろう!」

本作のモチーフであろう「不思議の国のアリス」にちなんで、例えるならば。
それはまさしく、緻密な仕掛け絵本のよう、というところでしょうか。

魔法の設定から、登場人物たちの過去やつながり、アリス達が贔屓にするお菓子屋さんまで! 物語の細部まで丁寧に描かれていることが伝わります。

アリスと友人たちの微笑ましい学園生活の一方で、シェリーの過去や、暗躍する「サーカス」という「仕掛け」が動くたび、「これからどうなるの?」とドキドキしました。

アリスの記憶をはじめ、明かされていない謎の多い本作。まだ見ぬ「仕掛け」にワクワクしながら、読んでいきたいと思います。

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