ルーティーンから生まれた、喜ぶ千佳の筋肉。

大創 淳

第五回 お題は「筋肉」


 ――晴れ渡る青空の下、駆ける地上。全速力ではなく程好いバランス。



 時折感じる温い春の風、その空気と戯れるように、僕の筋肉が歓喜に躍るそんな感じ。冬を超え、春になっても持続。筋肉を鍛えるには一日にしてならずだ。


 持続。何処までも持続……


 コロナも緩和され、一般ではもうマスク着用も個人の判断。なら、僕はジャージから脱皮して、蝶のようにその身を晒した。とはいっても半袖で短パンだけど。


 走ると温まる身体。風との一体感が魅力で、僕は今も続けている。初めはコロナ禍の運動不足を解消するためだったけど、今はもう、ルーティンと化している。もう三年になるけど、まだこれからも続けてゆく。僕の筋肉が、それを欲しているから……


 わかるよ、僕の身体が喜んでいるの。


 風と戯れながら、成長をしていく筋肉。ジョギングは脚だけではなく、全身を使う筋トレと言っても過言ではない。シンプルなのと持続が必要なのだけど、確実に育っている。


 走るコースも、僕は決めている。


 時には気分転換で変えることもあるけれど、スタンダートはいつもと同じ。できるだけ緑の多い方向へ。カントリーロードをまっしぐら。そして公園で折り返して戻ってゆく。


 お家に帰ったのなら、


 まずはシャワーで整える。必ず見る自身の裸体。三年間……思えばもう、体格も違ってきている。少女から女性の身体に。始めたのが十三歳。今はもう十六歳……毎日見ているから気付きにくいけど、神秘的な変化とも思える。当たり前のことだけれど、その当たり前が凄いことだと思える。喩えるなら何でもないようなこと。


 それが一番大切と、思えるの。すると、梨花りかもこの水回りスペースに入っ

てきて……


千佳ちか、とても綺麗な筋肉だね……」と、触ってくる、僕の裸体。脚も腕も色々と……


「梨花も一緒に走らない? 明日から」と、言ってみたら、


「いいね、筋肉姉妹。何だか面白そうだし」と、答えたの。


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ルーティーンから生まれた、喜ぶ千佳の筋肉。 大創 淳 @jun-0824

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