灯された火か、作られた火か、全てを無に帰す火か。

異世界ファンタジー作品は数あれど、歴史を深堀できるほど作り上げられたものはごくわずかなのではないでしょうか。その時代に生き、死んだ人々の足跡の重なりを感じられる考古学ロマンが、こちらの作品には詰まっています。

まず、魔女の設定が素晴らしい。
尖がり帽子を被って魔法の杖で派手な呪文を唱えたり怪しい薬を作ったりする魔女のイメージを見事に払拭してくれた、女ばかりの『花山羊の民』という設定。頭に山羊や羊の巻角が生えているのです。もうこの時点で「好き!」となりました。

それに魔女の街を彩る『癒守花』の描写がとにかく美しい。これについてはぜひ第6話を読んでほしいです。読めばわかる……!

そして物語の主人公、鳥人類の生き残りでもある考古学者のアルカイヤ。タイトルの『火』が何の火のことを表しているのか、第一章を通して描かれて行きます。作者様は本当にタイトル回収がお上手な方です。作中に登場する様々な火に想いを馳せながら読んでいただきたい。

物語が広がる余地を十二分に残したまま第1章が完結しています。この世界観に浸るなら今がチャンス!!アルカイヤ先生とその助手ガヴィの熱い戦いとロマンあふれる歴史への探求を楽しんでください!

素敵な賢いヒロインをありがとうございました!

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