首吊り幽霊の霊子さんは成仏できない

　はるか昔に首を吊って死んだという霊子さんは、死んだ場所でずっと地縛霊をやっているらしい。
　彼女に一目ぼれした僕は夜毎に彼女へ会いに向かうが、その熱き想いが彼女に届くことはない。
　
　たとえ僕が同じ場所で死のうとも同棲は断固拒否、成仏するなら一人で逝けとけんもほろろな対応だ。
　僕の恋が実ることがないのだろうが、諦めることなんてできはしない。
　
　彼女との出会いで初めて感じたはずの胸の高鳴りは、ひどく懐かしい心地がした。
　きっとこれは前世から続く恋で、僕はずっと彼女に恋をしているのだから。