昔々、人魚の肉を食べて不死身となった与太郎という男がおったそうな……
不死身性を活かして傭兵稼業に励んでいた彼は、新たに、デスゲームを運営、配信する会社(なんだその会社)に就職することになる。
残酷描写、暴力描写、性描写とレイティング三拍子を揃えながらも……いや、三拍子が揃い、デスゲーム運営側を主体とすることで成立する、絶妙なエロスプラッタラブコメディです。
ヒロインとの破れ鍋に綴じ蓋具合も良い。
先輩社員たちの活躍も見逃せません。
与太郎くんの不死身性は難儀な再生タイプで、痛みや苦しみを伴うものです。そのおぞましさも彼のキャラクターを下支えし、ストーリーと相まって良いのです。
株式会社ゲーム・オブ・ザ・ダイニングデッドは、富裕層をターゲットに、庶民が逃げ惑い、殺戮されるリアルデスゲーム配信を提供する会社です。
人魚の肉を食べて不死身になった新入社員が、快楽殺人鬼の美人ウサギにマシンガンで蜂の巣になるところから始まります。
単なる、エロとデスゲームで終わるのかな?と思っていたら、余興が追加され、あれよあれよと、地味なエピソードまで回収されてしまう見事な展開の作品です。
あと、主人公・ヨタローがカッコいいです。
名前ど忘れしたんですが……昔、浅野忠信とかが出てた単館映画系のカッコよセンスは、カクヨム中では作者さまじゃないと出せないんじゃないかと思われます。
ヨタロー、推定年齢500歳ぐらい。
下戸なんだけど、赤いコーラが好き。
特技は不死身。
ずっと軽くておもしろいし。
エロいし。
そんなのに隠れてサラッと孤独な哀愁漂わせてくるあたり、作者は只者ではないと思いました。
おもしろかったです。
悲壮感のない…というか、むしろ痛快エンターテイメントと言ってもいいデスゲームです。
ストーリーはテンポよく進み、コメディちっくなので、残酷シーンが苦手な方もするすると読めてしまうと思います。
デスゲームなのに主人公が不死身という設定も面白いです!
そして殺人狂なマナミさんがとっても可愛い!
主人公が作中でマナミさんに「かわいいかわいい」となってましたが、読みながら私も「うんうん」と頷いてました(*´-`)
マナミさんにまっすぐゾッコンな主人公にも好感が持てました♪
まったく飽きさせず、気づいたら読み終わっていました。
楽しませていただき、ありがとうございました!
想い想いの 事情を秘めて
命をかけた デスゲーム
舞台を跳ねる 無垢な狩人
銃口向ける 白兎
あれは与太郎 不死身の男
朽ちること亡き 狩人役(イェーガー)
キャッチコピーに記載された盛りだくさんの要素が、これでもかと全て!しっかり!看板に偽りなく描かれた、デスゲーム作品の新基軸!
配信要素や、さまざまな別キャラクターからの視点も上手く描かれており、最後まで一気に読了できるほどのパワーと魅力に溢れた傑作です。
ヒロインの魅力も破壊力も凄まじく、何度主人公を羨ましいと思ったか数え切れません。
デスゲームとラブコメの奇跡的な融合を果たしたこの作品の魅力を、ぜひ皆様にも味わっていただきたいです!