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概要
「い、一体何が起きたんです……?」
駅前ビルの中の本屋さん、と言えば聞こえはいいが、寂れた駅の前に建つ、同じく寂れたビルのテナントの一つ、と言えばなんとなくイメージが付くだろうか。
“とまり書房”はそういう、小さな書店だ。
腐っても駅前ビル、土日や祝日は比較的混雑するが、平日の昼間などはお客さんが一人もいない時間もあって、毎日閑古鳥が鳴いている。
ある日バックヤードを覗き込むと、きちんと仕舞われていた段ボールが転げ落ち、本の川が出来ていた。
正確には付録用の小冊子たち。巻き添えで倒れたと思しき備品など。呆然とした店長のハヤシダさんは、これらが倒れていたことに気づかなかったらしい。
一体誰が、どうして、いつの間に倒れたのか? 疑問に思っていると、先輩アルバイトのカイダさんが、神妙な顔で「俺、見たんですよね」と話し始
“とまり書房”はそういう、小さな書店だ。
腐っても駅前ビル、土日や祝日は比較的混雑するが、平日の昼間などはお客さんが一人もいない時間もあって、毎日閑古鳥が鳴いている。
ある日バックヤードを覗き込むと、きちんと仕舞われていた段ボールが転げ落ち、本の川が出来ていた。
正確には付録用の小冊子たち。巻き添えで倒れたと思しき備品など。呆然とした店長のハヤシダさんは、これらが倒れていたことに気づかなかったらしい。
一体誰が、どうして、いつの間に倒れたのか? 疑問に思っていると、先輩アルバイトのカイダさんが、神妙な顔で「俺、見たんですよね」と話し始
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