消えゆく灯の様に、あの日に滾った情熱を失ったかい?

本作は哲学を解いているのかもしれない。
あたりまえを疑ってみよう。

本という知識を燃やす行為のかわりに、新たな知識を得ることを描いているのではないか。

最初は、暗闇を恐れてはいなかった。
だが本を燃やす男から知識を得て、恐怖を知った。
アダムとイブが、エデンの園で果実をかじって恥ずかしさをおぼえたように。
また炎を見させ、炎のありがたみをおぼえさせ、新たな恐怖を与えた。
また、灯りを求めるように。

人は暗闇の中、明日に続く道を歩くために、光明を求め生きている。
宗教や理念、信念などの生き方や考え方、才能や財力、権力。
それらを生きる灯火として、誰もが歩いていく。
自分の命が燃え尽きても、誰かの灯火となって世に残って引き継がれていく。
けど、それらもいつかは終わる時が来るかもしれない。
少なくとも、自分の命よりは長く続くだろう。

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