最終話 魔王様、未来を見守る

 終わったよ。

 何もかも。


 ベガオとガイは始末した。


 これで、僕の邪魔をする者はいなくなったと思いたい。


 全てがひれ伏す景色を見て、僕は少しだけ不安になる。


 僕と美紗が実質トップとなった。


 つまり、これからは追われる立場ということ。


 だからどうって訳じゃないんだけどね。


「皆に告げることがある」


 でも僕の一声で震えなくても良いのでは?


「僕はベガオの代わりをするつもりは無い。今まで通り、それぞれの場所で統治してね。ベガオのところは……良い案あったら僕に教えてね」


 丸投げは良くないとかどこかで呟く声がした気がする。


「僕は地球に帰る。だから、ノース・イートもハレが続けて統治してね」


 ハレは驚いた顔をするけれど、諦めたように笑い、頷いた。


「もちろん、地球とのゲートはいつでも開閉可能だから、好きな時に遊びに来ると良い。僕もノース・イートやら何やらに、様子見に来ることはあるかもね」


 みんなしてビビる。

 これは正しい反応だよ。


「レックス、ロラン、ププはどうする? 帰る?」


 未来から無理矢理やって来たらしい3人に声をかける。


「強制送還まであと三十分かな。せっかくだし、生きてる母さんに会わせてくれよぉ」

「皆とは久しぶりだ。もう少し長くいたいが、魔力がな……」

「ププ! 優しいパパと、もう少しイチャイチャしたぁい!」


 そう言って、ププが抱きついて来る。


 じゃあ、お土産を持たせてあげよう。


「ププ、未来に戻ったら、僕にこの傷痕を見せてあげてね。かぷっ」

「ぷぁぷぁあはあああ!」


 ププの首筋に噛み付いて魔力注入。

 ここに『未来眼』を埋め込んだ。


 ベガオの攻略法とガイの対処法、仕留め方を伝達する。


 未来でも、僕なら分かるだろう。


 ププがピクピクしている。

 ちょっと魔力が多かったかな?


「みーくん、それ後で俺にも」


 美紗が鼻血を抑えながら懇願してくる。


 人目の無いところで、お願いしてきてもらいたいな。


 そして、一頻りのお片付けやら宴会やらをした後、僕らは地球に帰る。


 これから、どうするか?


 【神王】となり、僕は全知全能の神みたいなものになっちゃったに違いない。


 やることなんて、ただ1つだ。


「さぁ、これより本番だ! この別世界の地球……残り49の地球全てで! 僕と美紗をくっつけるぞ! もちろん、手出しは最小限だ!」


 僕は、僕を見守ろう。


 争うこと無く、幸せに美紗と結ばれる未来があると信じて。


 大丈夫だよ。


 どんな絶望にも、きっと光はあるから。


 だから、諦めるな、門音未来。


 魔王を超えて、神にだってなれる力が、君にはあるんだから。







ーーーー Norinαらくがき ーーーー


これにて、完結となります!


描きたいこと、やりたいこと、全部を無理矢理詰め込んだ作品でした!


自己満足にお付き合いいただき、ありがとうございます!


次回作は(もしあれば)、もっと読みやすく、分かりやすく、パロオマはできるだけ少なく、流行りに乗ったものでお届けできればな、と思っております!


その時は、またよろしくお願いします!

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魔王転生~史上最弱と知る魔王の世界征服 Norinα @NorinAlpha

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