彼は「本屋」の本当の意味に気づけるだろうか

KACのお題である「本屋」を効果的に使ったお話でした。
ここで綴られているのはほんの一場面だけですが、そこからでもお嬢様の境遇と幼い頃から一緒にいる執事との関係性が見えてきます。
短編ですが、語られない空白にも想像力が掻き立てられるお話でした。しかもこちらの作品、なんと規定に沿った777字ぴったり! 
仕掛けに驚き、物語の密度に驚き、そして規定の通りにまとめあげる技量にも驚いたお話でした。
物語の余白に、あれこれ想像を張り巡らしたい方におすすめの短編です。

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