冒頭の衝撃的な内容からは想像できない読後感。

今回の小説は歓楽街に生きる嬢が主人公とのことで、冒頭の衝撃的な内容はまるで村上龍のトパーズやラブ&ポップのようです。
主人公と社会との間にある溝を抉るように描く様はこれまた村上龍のコインロッカーベイビーズを思い出します。
そして、最後まで読んだ後の読後感は、キューバに希望を見出した村上龍のKYOKOのような爽やかさで、この小説は朝吹さんのトパーズであり、コインロッカーベイビーズであり、KYOKOだと思いました。
しかしもちろん、村上龍とは違います。
朝吹ワールドは毎回登場人物達が容赦無く現実を突きつけてくるのに、でも優しさも感じるのです。
毎回、今回はこう来たかとなる作風の幅の広さに、驚かされます。
そして朝吹ワールドに魅了される人がひとり、またひとりと増えていくのです。