最後の召喚は……

 今あーしは、王都に向けて進軍中だ。


「"催眠術"発動!」


 なんか向かって来た軍勢には、強制的に味方になって貰う。

 途中で出会った、動植物さんたちには、道の先の情報を貰う。

 兵士たちは、あーしの指示に従ってくれるし、特に障害もなく王都前に着いちゃった。


 ここで、一騎打ちを所望された。

 あーしは、仕方がなく"ライフル銃"を取る。


 ――パン


 あーしの弾は、何故か百発百中なのだ。"狙撃"スキルかな?

 手足を撃ち抜くと、どんな将軍でも降参して来た。

 槍や剣を持った将軍相手に銃なんだし、あーしは強いな。

 "ライフル銃"を卑怯だと言って来た相手には、"龍殺しの大剣"だ。一振りで、降参してくれたな~。どんな武器も破壊できるんだし。

 一人だけ一刀両断しちゃったけど、急いでポーションで回復! そうしたら、忠誠を誓ってくれたよ。あれは、焦ったな~。



 そんで、次に王都前で軍隊同士の対決だ~。

 だけど、風上のあーしには、秘策があった。


「"毒のブレス"散布!」


 ちょっと、毒性を緩めたんだけど……、相手はバタバタと倒れ出した。

 そんで、制圧する。"孫氏の兵法"を読んでおいて良かったな。無駄な戦闘は、回避できたと思う。

 う~ん、もう障害はないかな?


「良し! 王都に入ろう!」


「「「はっ!」」」


『清々しいまでの、快進撃ですね~。これで、あなたの有能さが証明されました。王都の民も従うでしょう』


 そうなん?





「うーん。反乱が多いな~」


 あーしが、王城を掌握しても、各地で混乱が続いていた。

 各貴族は、そのまま土地を治める様に沙汰を出したんだけど、隣り合う領地同士で争ってどうすんの?

 ここで、"扉"が現れた。


「女神様~。あーしは、各地を回ろうと思うんだけど?」


『時間がかかり過ぎます。何時もの発想力で、短期終結させて下さい』


「う~ん。民心を安定させて、混乱を治めてくれる人~」


『……』


 ――ガチャ



「この国の混乱を治めると、どうやって証明するつもりだ! 王都を落としたのは、認めるが、この国はもうダメなんだ。皆独立に向けて動いている! これから、戦国時代の幕開けだ~! わ~はっは!」


 できるだけ貴族と豪族を集めたんだけど……、一触即発だな~、これ。

 殺気立ってるよ。いっちゃってる人もいるし。


 ここで登場、女神アテ〇様~。

 みんな、後光に照らされると絶句すんのね。


「皆さん……。この、リナ・スピネルに協力しましょう。そうすれば、この国は生まれ変わります」


 うわ~、優しい声だな~。

 そうすると、国民が皆お祈りを捧げてくれたよ。あーしの、お祈りポイントが十億超えてんだけど。

 お土産は、"イージスの盾"と"後光"だった。

 "後光"ってどう使うん?



「すっごい、求心力なんだな~」


『ううう……。私という女神が付いているのに、他の女神を召喚するなんて……』


 あれ? 女神様泣いてる?

 あーしに憑いている、女神様は無名じゃない? あーしも名前知らないし。

 何時も祈っていた女神像は……、誰なんだろう?





 今日は、あーしの即位式だ。

 スピネル王国の誕生の日。


 もう、国中がお祭り状態だ。

 ジャガイモと、米を各地に配ると、飢饉もなくなった。

 家畜も増えて来た。

 そして、チーズとバターだ。皆喜んでいる。

 麦は、来年に期待だな~。


『アメリカは、ビールとホットドックで独立記念日を祝ったのですけど、スピネル国は、エールとジャガバタなんですね~』


「アメリカって何処?」


 あーしは、"ストア"で民衆の欲しいモノを購入した。

 そうすると、それ以上のお祈りポイントが帰って来た。


『はあ~。上限一万のルールを逆手に取るなんてね~』


「にしし。あんがとね~、女神様」


 でも、CH-47JA チ〇ークみたいな未来の技術は、なるべく購入しないことにした。

 運転できるごく少数の人のみが、利益を独占しそうだったからだ。

 燃料をあーしが購入しなければ、誰も動かせない。

 今は、オブジェとしてあーしの功績の証明を行ってくれている。それと、いざと言う時に使える様に、整備に抜かりはないのだ。


 ここで、元文官Aさんが来た。

 この人には、宰相になって貰っている。


「リナ女王様の聡明なご判断と、清廉潔白な性格により、この国は一層発展して行くでしょう。領民皆が、確信しております。眼下をご覧ください。領民が歓喜に満ちております」


 あーしが、聡明? 性格もこんなんだよ?

 イメージ違くない?

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貧乏男爵令嬢の領地経営~そうだ!異世界召喚者に協力して貰おう~ 信仙夜祭 @tomi1070

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