あーし最強?

 その後は、順調だったな~。

 ファフ〇ールさんは、どの国にとっても脅威だったみたいだ。

 それを、手なづけた、あーし最強?


『あなたじゃなくて、"扉"ね。"召喚スキル"ね?』


 まあ、そっか。

 でも、誰も分かんないよね。あーしのスキルなんて。魔法になんのかな?

 さーて、今日もお仕事頑張ろう。


 まずは、鉱山開発だ。

 女神様のお勧めで、ダイナマイトを"ストア"で購入した。

 岩の亀裂に差し込んで、爆発させる。

 鉱山夫の仕事は、搬出だけになった。


「崩落に気を付けてね~」


 あーしは、現場監督者だ。


「任せてくれ、リナ辺境伯。儂らも長年掘り続けている。危険な場所は、察知できるよ。危険を感じたら、先に崩落させる」


 ふむふむ。作業員が優秀だと、責任者も楽だな~。

 金銀銅が産出されて、インゴットに変わって行く。

 食べられる物じゃないし、道具にもなんないけど、高価なんだよね~。

 今度、王都に売りに行こう。

 あーしは、辺境伯なので、税を払う必要もなくなったのだ。

 そうなると、領内に物資が溢れる様になってくる。


「う~ん。そろそろ領外に売りに行かないとだね~」


「はっ。輸送は任せてください」


 砦の兵士たちも、最近はシャキッとして来た。なんだろう? 白起さんとジークさんの影響かな?





「え~。王都で内乱?」


「はい……。王族が、磔にされたとか……。ギロチンとの噂も」


 え~、せっかく上手く行ってたのにな~。

 処刑方法って重要なんかな? とりあえず、王族が亡くなったんか。


「そうなると、あーしの辺境伯の地位は?」


「残念ながら……。次に政治の実権を握る者次第かと」


「ぶ~」


 困ったな~。せっかく豊かになった、この辺境の地を取られちゃうよ~。


「リナ辺境伯! 全てが揃っています。今こそ中央に進出を!」


 うん? 中央に進出?

 屋敷から出ると、みんな揃っていた。


「農民さんに、文官さんに、酪農家さん、猟師さんに、鉱山夫さん、漁師さん、兵士さん……。その他の領民さん? みんな揃って、どうったの?」


「我々は、リナ様に国を治めて欲しいのです! あなた以上の、領主などいない! それを、国民に知らしめたい!」


 う~ん……。評価高過ぎでない?


「あーしに、王様やれってこと?」


「「「そうなります」」」


 う~ん。辺境伯だけでも大変なんだけどな~。

 どうすっかな~。


『いいじゃないですか。民衆をなだめて、国を獲りに行きましょうよ?』


 女神様からだった。


「あーし、政治に興味ないんよね~。領民とお腹一杯食べられたら幸せなんだけどな~」


『その"領民"を"国民"にしましょうよ~』


 う~ん。考えちゃう……。


「リナ様の、善政と徳により、この辺境もここまで豊かになったのです。リナ様ならば、国を立て直せます。私たちが断言致します! 確信しております!」


 う~ん。う~ん。


「あーし、戦争が嫌いなんよね~」


『貰ったスキルが、あるじゃないですか? 武器だって。全部最強系ですよ? それを見せつけるだけで、対抗勢力は降参して行きますよ? 今現在の自分の力を過小評価し過ぎです』


「そうなん?」

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