第4話

   

 最近、ネットの片隅で奇妙な噂を見つけた。いわゆる都市伝説というやつだ。


 一部の若者の間で、おかしな病気が流行はやり始めているという。瞳の色が突然藍色になり、見るもの全てが藍色に染まってしまうという症状だ。一度ひとたび発症すると、一生治らない病気だという。

 医学的な関連は不明だが、発症直前に全員が同じようなアイマスクを装着しているので、それが原因だと考えられている。購入した覚えもないのにいつまにか手元に紛れ込んでおり、発症後は探しても見つからないという、呪いのアイテムみたいな藍色のアイマスクだ。


 なるほど、私は濃い青色と表現してしまったが、確かにあれは藍色ともいえる色。ならば私は、死ぬまでずっと、この目の異常と付き合っていかねばならないようだ。

 なおこの病気は、アイマスクがきっかけで発症することに加えて、視界が藍色アイいろ覆われるマスクされるという意味で、アイマスク病と呼ばれているらしい。




(「アイマスク」完)

   

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アイマスク 烏川 ハル @haru_karasugawa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ