第5話 作業?work ? いや、狩りです!

最初のコボルト達を、倒してから俺は山を歩いていた。

一応歩き始めてゲーム内では2時間くらいたっている。にもかかわらず町が全く見えない。というかまだ登ってるし、デカすぎんかこの山



「グギッ」



「グギギギ!」



「グギッグギッ!」



山を歩いていると声が聞こえた。茂みに隠れながら声のする方に行くと肌が緑でちょっと腰が曲がったモンスター、ゴブリンがいた。



「うわっ。なんだよこの窪み。ゴブリンの巣が出来上がってんじゃねぇか。ざっと見たところ300はいるなコレ」



山の中腹にできたであろう大きな窪みにゴブリン達がわんさかいた。まして洞窟みたいな穴もほってるからこれよりもっといるかもしれないな。



「まあ、いいか。全部狩ろう」



このゲームでのゴブリンの説明はこうだ。

ゴブリンは弱いですが侮ってはいけない。なまじ知識がある分、単体よりも徒党を組んで襲う方が効率がいいと分かっている。それを利用し、村などを襲う。ゴブリンにもメスはいるが人間の女が1番好きなため、女は残して男は殺すという残虐性も持ち合わせている。最後に1匹居たら100匹いると思うといい。



「あ、俺大剣しかないわ。洞窟小さいからなぁ、どうしたもんか。」



ゴブリンやコボルトは体がそこまで大きくないため、巣は人がやや屈んで入る程だ。

そのため、長剣や大剣などの長物は洞窟等に引っかかったりと敵の格好の的なので短剣などが好ましい

まれに例外としてゴブリンを支配するモンスターが居る。それらがいる場合は、巣は広く大きくなる。



「短剣かぁ……短剣なぁ……wコレしかないんだよな」



〖小鬼の剣先〗・・・元々ゴブリンが使っていたスコップ。尖った先で攻撃すると必ずクリティカルが入るが熟練者でも難しい。切ると言うより突くが正しい



こんな説明ついてんだよ。このゲーム意外と優しいのが使い用途が分からない装備やアイテムなどは説明してくれると言うのだ。

そんでこの小鬼の剣先もといスコップは能力自体は問題見たいだが、耐久値が分からない。そこは見れないのか……



〖小鬼の剣先〗・・・耐久値は武器と言うより便利道具扱いなため、鉄剣より高い。




考えても出てくれんのか……

すげーなAI


「これしかないなら、これで行くしかないんだけどな」



かと言ってこれを持って正面から行く訳では無い。どこかに見張りが立っている裏口のような場所があるのはこの手の定石だからな。それをまず探すのが先だ。


まあ、この人数でこの広さならここら辺にあるはず………あった。

ゴブリン達が多くいる場所から100m離れたあたりに人骨のヘルメットみたいなのを被ったゴブリンが2匹いるな。

どちらか1匹居なくなればやりやすいんだが、どうしたもんか。



ピコン!クエスト発生!

〖ゴブリンの巣掃討作戦〗

参加しますか?

はい いいえ




考えてたらなんか出てきた


「なんじゃこれ、クエスト?これが?」



アラオン初のクエストがこれか。まぁ自分の実力がどれくらいか知れるし、Lvも上がるだろうからやってみるとするか



「はい……っと」


参加人数は何人ですか?



「おっと……」



参加人数か、こんなものもあるんだなまあどう見てもソロ用ではないだろうしな。

一応下の方に参加上限として6人と書いてある。つまり6人分のは働きが己に求められているものとわかる。

それはそうと、この場には俺一人しかいないから俺1人と書いておくとする。

そしたらピコン!っとなってクエストがスタートされた。



「とりあえずあいつら2匹をどかすか……」



そう決心した時、左側にたっていたゴブリンが20mくらい離れていった。多分用を足しに行ったのだろう。このゲーム何故かそこら辺はリアルに近いのだ、もちろんプレーヤーにも現実の尿意等は存在するため、その時は警告で教えてくれる。



「よし、今だな。まずは洞窟前のを殺して、帰ってきたヤツを背後からだな、」



そうつぶやくと同時に俺は洞窟前のゴブリンに襲いかかった。

幸いにもそのゴブリンは外のため大剣で首を横薙ぎにチョンパして、即座に近くの草むらに隠れる。

待つこと3分程用を足していたゴブリンが帰ってきたため小鬼の剣先で首を突き刺す。



「フゥ〜、ドロップアイテムはなしか」



所詮ザコMobだ。コボルトのドロップが珍しいくらいだな。



ピコン!ゴブリンのキル確認

2/365



キル数が表示され、同時にゴブリンの数もわかった。

………ちょっと多すぎないだろうか。まだ、363匹いるということだ。これだけいるとなるとボスも居そうだな、気をつけよう。


洞窟に入り当たりを見回しながら歩いていく。少し歩くと奥にあかりが見えたため身を低くしながら覗いてみる。



「うへぇ〜、ここ産卵場所かぁ」



このゲーム。一応年齢制限はないのだがプレイヤー以外のこのゲーム世界の住人達は忠実に現代に基づいている。

分かりやすく言えば、NPCが殺されれば血は出るし臓物も飛び出でる。またモンスター同士での戦いも血が出るといった謎の演出がある。

プレイヤー同士やプレイヤー対モンスター同士ではそれらが起こらない仕様になっている。


さて、話は戻るが何故か産卵場所が分かったかと言うと、死に絶えたであろう女とイカ臭さが五感を刺激したからである。



「なんで、こうゆうとこ再現するかなぁ?俺じゃなきゃ吐いてるぞ」



そう言いながら様子見していると、




「「ギャッ!ギャッギャッギャッ!」」


ゴブリン……いいやゴブで。ゴブが何匹かやってきた。

俺は小鬼の剣先を取り出す。



「クリティカルかぁ……いっその事全部クリティカルしたらいい事ありそうだな笑」



そもそもクリティカルというのは10回攻撃して1回出るか出ないかの確率なのでそう毎回出すことは難しい。

しかし、持ち前のスキルと技術があればできるものは存在する。

そう例えばクソゲーを木の棒でクリアした者とか



「オラァ!」


ズシュッ!



俺は飛び出て1匹を殺すともう何匹か殺していく

それらを繰り返して繰り返して繰り返しした。


ピコン!

キル数

185/365


半分くらいやったか。

一応俺ことフウリンはゴブリンに気付かれずに殺している。

途中何度かバレそうになったがその度「ギャッ!」っと真似てやり過ごした。そんなこんなで色々あり、100キルを超えたところで隠密というスキルをゲットした。Lvも8まで上がりステータス的にも大幅に上昇した。



「ふぅ、洞窟の中のゴブリンは全部片付けたな。あとは、あの窪みのゴブリン達だけか。」



ここまで来たのだからそいつらにも見つからずに殺したいと思っている。

そのためには1匹から5匹ずつ狩る必要がある。時間はかかるがやるしかない。



「どこに誘き寄せるかだな……あっいいところ発見」



ちょうどゴブリン達から20m離れた場所に人が2人ほど隠れる洞穴みたいなのを見つけた。



「あそこにしよう。じゃあ隠密……」


俺は隠密でそこまで行き誘き寄せることにした。


さて、着いたはいいが誘き寄せ方が思いつかない。

そこで俺はゴブリンをよく観察することにした。







「あっ、これ行けるかも」



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アラウンド・テアトルム〜作業が好きなだけで作業厨じゃない〜 野良犬の王 @makehamake

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