気づけば僕は、病院のベッドの上だった。
しかも、100年後の未来だった。
タイムマシンが完成した未来。
その危険性から一度凍結されたその計画は、医療分野だけに認められるようになる。
「未来では、一人ひとりの臓器は唯一無二のものではなく、コピーを作れる時代になっているんだよ」
「今回のレシピエントは、あちこち探したけれど適合するドナーが見つからなかったんだよ――今のこの時代には」
主人公である陸は、その適合者として、100年後にタイムスリップさせられたのだった。
細胞を採取し、臓器をコピーした後は必ず元の世界に返すと約束された陸。だが、ここでの記憶は削除されること、そして敷地内からは出ないように言い渡される。なんでも記憶の削除は負担がかかるので、できる限り未来のことは知らされないのだという。
それでも、同室の襷(たすき)と交流しながら、元の時代に帰るまで100年後の未来を満喫していた。
だが陸の前には、謎の白く大きな壁があった。
「話してはいけない」決まりとなっているその壁には、未来人だけが通れるゲートがあった。
ふざけ半分で陸はゲートにある顔認証を行うが、そこに現れたのは『別人』というエラー。さらに、そこに居合わせた少女・美澄から、「シュウ」という人物と勘違いされる。
さらに陸ともう一人の同室である理人には、ある秘密があった。
自分が知らない未来の向こうでは、どんな人たちが、どんな想いで生きてきたのか。
それを知るために、陸は白い壁の向こうへ行く。
例え、記憶が奪われるとしても。
そして、彼は思わぬことを知ることになる。
一人いなくなれば、その後の子孫が生まれなくなる未来。
果たして、陸のもとに待っている未来とは――?
夏のアニメ映画として映像化して欲しい作品です!!