未来の技術についての情報開示が限定的で、その理由にもっともらしい内容がつけられているのがなかなか良いと思いました。その一方で、時折出てくる謎や違和感といったものが、知ってもいいものなのか、知り過ぎてはいけないものなのではないかという疑問をもたげさせてきます。そう考えると、未来についての情報規制がされている理由についても疑問が生じ、何か隠された真意があるのではないかと深読みをしてしまいます。それら「小さな違和感」を回収されていくのがとても楽しみになる作品だと思います。
興味深く、かつ考えさせられるテーマと内容を扱っていると思います。興味と知的好奇心を同時に刺激できる点が魅力であり、読みやすい内容となっています。読者の皆様にお薦めいたします。
未来人のドナーになるためにタイムスリップした17歳の青年。未来の病院で目を覚まし、院長から丁寧な説明を受ける。施設の環境は良く、医師をはじめとしたスタッフたちも親切……。子供と大人の狭間の登場人物たちが上手く描かれているし、文章も簡潔で読みやすい。このまま爽やかに進むのかな……と思いきや、「ん? 何だか変だな」「実はこうだったりして……」と読者を不安にさせる光景や台詞が所々で挿入されていく。それが何を意味するのか、どういう物語に発展していくのか、気になってどんどん読んでしまう作品。
目が覚めるとそこは病気で、〇〇〇年後の未来。未来ではタイムマシーンが開発されていた。そこではドナーとして──。発展した未来で主人公は1ヶ月間過ごすことになる。これを読ませていただいて、ずっとテレビなどで騒がれているUFOでの誘拐は、ここに来ていたのでは?なんて不思議なことを考えてしまいました。オススメ作品です。
読みやすい文体と親しみやすい登場人物たちのお陰でスラスラ読めました。そこはかとなく漂う不穏な空気が良いアクセントになってます。それでもちゃんと、希望はありそうだと、そう思わせる物語です。続きが気になります。
タイムスリップものは数あれど、適合するドナーを別の時代から連れてくる、というのはとても面白いアイディアだなと感心してしまいました。主人公にこれからどんな出会いがあるのか、続きが楽しみです!