第4話 時にして残酷なり

『〜12の神々と7の精霊達が作り出した世界〜...』



おお、映像が頭ん中に流れてくるこの感覚未だに慣れんなあ。


『平和な世界にて突如にも7の悪しき存在が生まれる』



あぁ、これパッケージで読んだからいらないよ。スキップスキップ


『滅亡の危機訪れ...『スキップしますか?』』



YES!YES!スキップです!


スキップをしたすぐあと、フルダイブの世界に意識が持っていかれ同時に身体を動かす感覚が戻った。

少し慣れるためにジャンプやその場で腿上げ喉を行う。そうして落ち着いた時にあたりを見渡した。



村です。はい、いやまあ正式に言うと廃墟の村だな。

戦争孤児として選んだ時点でなんとなく想像していたが、設定としては旅をしていたが廃墟の村を発見。

しばらく休もうということらしい。

なんか、凝ってる感じは否めないけどいきなり町でとかよりはマシだろう。



「なんとなく、いい感じだな。体もよく動くし、とりあえず俺のステータスを確認しとくか」



ゴッド・テンタクル・オンラインでは、ステータスは胸を5回叩くと開くものだったが今回は頭の中もしくは、口で「ステータスオープン」というと開く仕様になっている。


_____________


名前:フウリン

種族:人族

職業:傭兵(大剣使い)


所持金:15000ドーラ


Lv1


HP(体力):35


MP(魔力):12


STM(スタミナ):15(+15)


STR(筋力):25


AGI(俊敏):8


TEC(技量):5(+5)


VIT(耐久力):9


LUC(運):12


スキル

〖技能スキル〗

兜割りLv1

咆哮Lv1

スラッシュLv1


装備


武器:鉄の大剣


頭:鬼面真情

胸:なし

腰:大数珠

足:なし


効果:体力増強( STM+15)

クリティカル率20%アップ(TEC+5)


_____________



これ、傭兵らしく無さすぎるな。紙装甲って訳でもないが、それでも半裸のお面傭兵なんて変態以外の何物でもない。



「まあ、これが俺のゲーム知識総動員の結果だ。文句は言わねぇ」



まあ、とりあえず傭兵らしくクエストを受けなならんから町に行かねえとな。このままデスポンしてもデフォ地はこの廃墟村だからな。その前に戦闘とかして体も慣らさないといけない。まだ、このゲームがどういう仕様か詳しくはわかってないしな。

まあ、それらよりも俺が驚いているのが。



「すげぇな現実みたいに体がスムーズに動かせるし、なんなら匂いとかもすごいな。なんか流行りの異世界転生的に感じるわ。」



そう俺が今までやって来たゲームは存外にも良いとはいえなかった。例えばフィッシュ・オブ・フィッシュ。これは魚人オンリーでしか選べないクソゲーだったが、水の中での生活や匂いは忠実に再現されていた。しかし、魚特有のぬめり感や、怪我をおった時があまりにもリアルすぎて過疎化したゲームでもあるのだ。それに陸地に上がるとダメージを受けるのだが、たまにラグがあり痛みが一気に襲ってくるというのもあった。

ちなみに、痛みは中坊の肩パン程度だ。

まあ、そんなこんなでここまでスムーズなのは驚きを隠せないってわけだ。



「「「グルルッ」」」



「あっ」



さてさていきなりだが、初の戦闘はゴブリンやスライム同様、雑魚の代名詞と言えるコボルトさんだ。

しかも3体だな。武器は剣と斧とスコップ...

ん?スコップ??



「〇イ〇クラフトかよ笑」



某何とかクラフトで最初に使うツールだろ。なんか、1度それで認識するともうソレにしか見えなくなってきたわ。



「「「グル?ガルルルルッ!」」」



どことなくバカにされたのが分かるのか先程よりもコボルトは大きく唸り始める。



まず君達に言いたい。コボルトと言っても最弱と考えては行けない。まず1つ、人型であるため挙動が少しめんどくさい。

2つ人とは違う噛むという点を持っているため危険。3つ、必ずしも持っている武器が通るとは限らないこと。

あぁ、トラウマが...あれはコボルトかと思えば、コボルトと書いてワーウルフと読む運営のイタズラ心によって攻撃が通らないこともあったか......

いやいや大丈夫大丈夫。これは違うゲームだ



「「「ガルルガルガルっ!」」」



なんの策もなく、真正面から突っ込んできた。

なんだ、ただのコボルトか。安心したわ。

あぁ、ジャンプして上から落とし斬りするつもりね

いやまあそれは大剣使いには悪手でしょうに。



「横払い......どっせい!!」



「「「グウェ!?」」」



さて、今の攻撃で綺麗にふたつに別れて死んだようだ。そして数秒後霧となって、そこにはドロップアイテムがあった。

この手のゲームは大きく2つに分かれる。リアリティを求めて死ぬということ怪我をするということと言ったものを忠実に再現するゲーム。そしてもうひとつは適度にファンタジー感を入れてくるものだ。

幸いこのゲームは全世界全世代共通なためか霧になって消えるという程よくファンタジー要素が織り込まれている。

そもそもリアリティを求めすぎたゲームは一瞬でクソゲー扱いされてあまり世に出回ることはなくなっている。

一時期はそれのせいで精神疾患に陥る人が続出してしまい争論になっていたこともある。

まあ、俺はそんなグロ耐性とかあるタイプだからそんときはあえてルックデスペナルティっていう自分の死に際も俯瞰して見れるというクソゲームをやっていた。



「それはそうと......ドロップはなんだ...」



小鬼の剣先.........スコップじゃねえか!なんだ剣先って剣先スコップまで書けよ!

はぁ...まあいい。武器は片手剣扱いか、俺には不要だから町に着いたら売るか



「そういえば、普通に腹も減るし、脱水症状とかも出るってパッケージ説明にあったな。」



まあ、そりゃそうだ。五感なんてものがあるのだから、腹も減りゃあ喉も乾く。



「とにかく、何がどのモンスターから落ちるのか検証もしたいし町に着く前に狩るか」



よし、とりあえずはまあコボルトとかゴブリンを見つけられたら僥倖だな。ゴブリンはゴキブリと一緒で1匹いたら100はいると思えって代名詞で有名だからな。



そして俺はモンスターを狩るため、山に行くことにした。


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