最終話 才能と呪い
サユリは、もし赤ちゃんの頃に「エンパシー・エンハンサー」を使用していなかったとしたら、自分が周囲の人々の圧倒的な思考や感情に対処することができただろうか、と考えている。自分の能力をうまくコントロールし、私利私欲のために他人を操るというダークサイドに陥らないようにできただろうか。そんなことを考えながら、彼女は将来生まれてくるサイキックの赤ちゃんたちの将来を思った。
もし、彼女がその力を発揮するために、適切なタイミングで適切な人々に出会わなかったら、どんな人生を歩んでいただろう?
サユリは、自分自身の体験によって、同じような苦悩を抱えるクライアントを理解し、共感できる、よりよいカウンセラーになったことを実感する。そして、自分の経験が、他の人を助け、希望を与えることができることを知る。
そして、サユリは臨床心理士として、クライアントの超能力のあるなしにかかわらず、心の問題で苦しむ人々を支援する仕事を続けることを決意した。
彼女は確信する。誰もが自分の可能性を発揮する機会を持つに値すると信じ、その手助けをすることが、自分に課された使命なのだと。
超能力者のジレンマ YUG @karishabu
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