「後書き」
作品を最後までお読みくださって、本当にありがとうございました。
お星さま、レビューなど、早くから常の自作よりも多くの方からいただき、本当に感謝、感謝、感謝にたえません。
(ご遠慮なさっている方、もう、星を倍つける勢いでつけていただけること、アメ、小躍りして喜びます)
さて、「後書き」です。
いきなりな質問ですが、本屋さんで小説を買うとき、あなたはどこから読んで選びますか?
「冒頭を読んでから買う派」あるいは「後書き(及び解説)を読んで買う派」ですか?
表紙、キャッチコピー、帯。
興味をもって手に取った書籍。
わたしは手にとって最初に見るのは、いつも「後書き(解説含む)」でした。
(WEB小説が主流になりつつある今、それは「あらすじ」や「レビュー」に変化しましたが)
たとえば、人気のライトノベル『キノの旅』。
著者である時雨沢恵一先生が「本を買う前に後書きを読むことがある」と書かれていたと思います。(ちょっと裏覚えなんですが)
そこ、わたしと同じで嬉しい。
後書きです。
後書きに対して前書きもあります。
前書きの役割は、「その本を買ってもらうための宣伝」。
後書きの役割は「最後まで読んでくれた読者へのサービス」と、どなたかが書いてらした。
作品をどう書いたか、あるいは、この作品の面白さみたいなことを、「後書き」に書くようです。
ここで、疑問。わたしが作品をどう書いたかなんて、そんなことにご興味のある方がいるでしょうか。
ごめんなさい。
「後書き」を書こうとして、最初にこの疑問が浮かんだのです。そこは、まあ隣に置いて忘れておきます。
さて、いつも書いていますが、小説を書く時、構成をしっかり決めて書く方と、ぼんやりした「あらすじ」のもと、日々、先を続けるというタイプがあるようです。
以前、どこかで書きましたが。
理系脳と文系脳だ、なんて、わたしは思っています。
わたしは昔から構成をきっちりというのが苦手なんです。
起承転結、それぞれに何文字と規定して、それに合わせて書いたことが一度もありません。
この作品もそうでした。
昨年の5月頃、刑事が異世界に転移(憑依)。その相手はか弱い女の子。このギャップ萌えは面白いかもと思ったのが、きっかけで書き始めた作品です。
では、同時に刑事が追っていた凶悪犯も送り込もう。
ミステリー仕立ての異世界ファンタジーって面白いかもと考えたのです。
身体は女性、中身は男性。いわゆるTS転移。その上、側室という不自由な立場で、彼女(=彼)は、犯人を捕まえることができるのか。
構成として、考えていたのは、この程度でした。
まずは冒頭で、刑事の人格形成をしたかったのでハードボイルドタッチの描写をしました。
「1話目でブラバされたら、どうするの。2話目から面白いのに」と、口の悪い評論家(我が子)に言われました。
しかし、この1話目は外せないんです。
だって、どれだけこの刑事が有能(?:途中で脳筋って多くの人に言われた気の毒な獅子王捜査官)かってことがわからないから。我慢してもらいたいって思ったものです。
案の定、1話目から2話目のアクセス数は6割ちょっと。かなり多くの方がブラウザバックされてる模様。
ただ、2話目からは九割以上の方がそのまま読んでくださっているので、もう仕方ないと諦めています。
その後、筋肉質の俺さまエリート意識ぷんぷんの、おバカさん獅子王捜査官が、女の子のなかに入った戸惑いから、執念を持って追っていたシリアルキラーが同じ異世界にいることを知る。
そんなこんなで、カクコンがはじまる前に8万文字弱を書きました。
11月から一ヶ月で書きあげたので、文章が荒くて、公開前の手直しが多かった。途中、設定もいろいろ変更しました。
今でこそ言えるのですが。
犯人、8万字時点で誰にするか決めていませんでした。
皇太子、天佑、幼馴染。この三人の誰かということと、ラストシーンの落下までは決まっていたんですが。
誰が犯人でも結果として納得のいくよう、中途までは書いていたつもりです。
三人三様のラストシーンを考えました。
皇太子と幼馴染が共闘して魅婉を守り、天佑を破るパターン。この場合、天佑が城壁から転落するところを、ふたりが取り押さえて、「落ちる、落ちるぞ」とコメディタッチになる予定でした。
幼馴染と天佑が決死の覚悟で魅婉を守り、皇太子を破るパターン。偉そうな皇太子が、全員死罪を叫び、帝登場なんて場面。
それぞれ、面白いとは思いましたが、結果はお読みになった通りです。
この作品。
皆さまから面白いとか、私史上一番の代表作かもとか。いろいろ高評価をいただき、初動の総アクセス数も過去作に比べて多く、読み専の方からもお星さまを多くいただき、本当に嬉しかったです。
なんとなく、自分の作風とか、今後の作品とか、こういう形で書いていこうと見えた作品でもありました。
ミステリーに異世界ファンタジー、コメディをプラスした作品を今後も書いていきたいと思っております。
最後までお読みくださって、本当にありがとうございました。
まだ、お読みでない方、読んでくださると感動して泣きます。最近、ほんと涙もろくて、困っています。
『後宮の悪魔』〜時空を遡るシリアルキラーを追う敏腕刑事が側室に堕ちた件〜 雨 杜和(あめ とわ) @amelish
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