ショートショートの見本

 小説全般に言えることだが、読み手の思考の動線を考慮して話を組み立てることが、とくにショートショートでは求めらる。
 その点で、このショートショート集は動線が丁寧に考慮されている。
 とくによいのが、第四話「取り合い」である。
 起承転結の転の切り替えがすばらしい。結の落とし方も味わいがある。
 総じて言えば、丁寧な作りのショートショート集と言える。ご一読あれ。