宝石の粒のように洗練されたアイデアの数々。 物語のおいしい部分だけを抽出したような作品。全てがサビです。 短いがゆえに気軽に見ることができ、テンポもいい。 ただ日常を垂れ流すのではなく、きちんとオチもついているのがセンスがいいですね。 具体的かつ詩的、かといって抽象的にはならない描写の数々。 美しい光景が臨場感をもって目の前に広がります。 全一口サイズ。美味しい美味しい。
200文字という枠をもうけて、作品を産み出しているがむりを感じない。アイデアが不足なく200文字で展開している。ただ短いだけの作品がない点を高く評価したい。とても質の高い作品集だと思う。読んでいると、作者の詩性といったものを感じるが、それが明確になるには、もっと話数が必要か。個人的には、「花屋」がいちばんお気に入り。