スマホは百薬の長にして百害をもたらすものか?


 中島らもが著書「今夜、すべてのバーで」でアル中(アルコール中毒)に陥るメカニズムを以下の通り解釈している。

 アル中になるのは、酒を「道具」として考える人間だ。おれもまさしくそうだった。この世からどこか別の所へ運ばれていくためのツール、薬理としてのアルコールを選んだ人間がアル中になる。



 この作品では、既に生活インフラと化したスマホに対する負の側面を事細かに説明している。

 スマホとはまさに両手におさまる万能薬のようである。
 以前は様々な媒体を介する必要があったことが、すべてこれ一つで出来るようになった。
 大きく変わった(これからも続いていくだろう)点としては、オート機能、レコメンド機能をはじめとし、次々と自発的に動く必要性がなくなっている点だろうか。
 これは要するに潮流の為すがままになること、及び、川の流れを作る方達が引いた線に従うことを意味している……


 とはいえ、スマホがもたらした恩恵、影響は大きい。今更、スマホを避けるわけにもいかないだろう。

 どう向き合っていくかを考える機会を与えてくれるエッセイである。