スマホを持ってるとバカになる! スマホ認知症について

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

スマホを持ってるとバカになる! スマホ認知症について

最近よく言われるスマホ認知症。

残念ながら事実です。


情報が過多なせいだ! という曖昧な理由付けを見かけます。

「だったら自分は情報を整理できてるから大丈夫だ!」

なんて勘違いする要因となります。


結論から言うと、意識でどうにかなるレベルを超越してます。

本記事では認知というより、能力の低下について言及します。

以下はスマホで馬鹿になる要因です。



1.SNSなどのコンテンツは依存を引き起こすよう意図的に作られている

2.画面の光が脳を麻痺させる



1.SNSなどのコンテンツは依存を引き起こすよう意図的に作られている

ゲーム制作の戦略でも使われる手法です。


経験値をためてレベルが上がる

技や魔法を覚える

敵を倒す

ステージをクリアする


どれも達成感を感じることだと思います。

実はこの瞬間に脳の「報酬系」を刺激してドーパミンが放出されます。

ドーパミンが放出されると人間は快楽を感じます。

そしてまた快楽を感じたいと、人は再びモチベーションを上げるのです。


これは狩猟文化から残る仕組みであり、全人類に組み込まれています。

この仕組みが無い者は淘汰されたことでしょう。

獲物を捕るモチベーションを得られない=生存競争に適さない訳ですからね。


つまりこの仕組み自体は悪い効果ではないんです。

テストやスポーツの上達の為には必須な機能と言えるでしょう。


しかしゲームの場合は簡単に、超簡単に!

ドーパミンが得られてしまうのが問題です。


現実の戦争や狩りで敵や獲物を倒すこと。倫理面は置いておいて、この瞬間はハンターズハイとも言うべき高揚感に満たされるそうです。


しかし相手を倒す技術を磨くのは並大抵のことではありません。数年単位で訓練し、ようやく得られる達成感です。

けれどゲームの場合は早ければ数分、遅くとも一日プレイすれば敵を倒す喜びを得られます。(でなければ調整間違えたクソゲー)

また月単位でようやく成長を体感できる肉体に対し、ゲームはレベルと数値ではっきりと、すぐに成長を実感することが可能です。


手軽に高頻度にドーパミンを得ることで刺激に慣れ、もっと強い刺激を欲し依存症状を引き起こします。

簡単に得られるのなら、わざわざ難しいことをして快楽を得る必要はなくなってしまいます。人間含めた動物は基本、楽な方に楽な方にと移行します。


これがスマホにも当てはまります。

「スマホゲームやらないから関係ねぇし!」

ということはなく、例えばSNSの「いいね」。これも報酬系を刺激します。

SNSで新たな情報を獲得すること、これもまた報酬系を刺激します。


そうして次の快楽を得ようと、SNSを頻繁に見るようになります。

気が付けばスマホを見ている、または見ていないと落ち着かない状態に陥ります。


依存状態のいっちょあがり♪


企業側は当然この習性を狙ってきます。ユーザーにハマって欲しいんです。使わない手はないに決まってます。

興味を惹くコンテンツが必須であることと同時に、報酬系を刺激するシステム作りも企業側には必須な訳です。


ガチャを一例としてあげます。

ガチャで報酬を得ること自体に快楽を感じるのは上記の例から当然として、その直前にガチャを引くと結果が分かるまでに少しの間がありますよね?


あの間が非常に重要で、パッとすぐに結果が分かるより、猶予を少しだけ作ることで報酬系を強力に刺激します。

実はドーパミンが最も出るのは、報酬を得られる直前ということが分かっています。

その猶予を意図的に作ることで、より一層ガチャにのめり込んでしまうのです。


これ、ギャンブルでいうスロットと同じです。

役が二つ揃った状態で最後のリールが回る僅かな時間。あの時間に大量のドーパミンが放出されているのです。

例え結果がハズレであろうと、直前にドーパミンが出てしまうのですから時すでに遅し。

負けててもギャンブルに依存してしまうのはその為です。


で、これがどうスマホに影響するのかというと、SNSなどでページを更新する際、ぐるぐる回る表示が出ますよね。

あの時間、必要ないんです。

本来ならあのような更新時間を置かずに、さっさと新しいページ表示させるくらいできるんです。

その程度の技術力、Twitterなどの大手SNSは持ってます。

ですが、あえてあの時間を作っているんです。理由はガチャの間と同じ、あの僅かな時間が強く報酬系を刺激するのです。


そんな事態がSNSを開くたび、更新するたび、何度も何度も何度も何度も…

ちょっと恐ろしくないですか?

おまけにSNSの情報は常に新鮮。いくら繰り返せど飽きというものが訪れません。


「ほうほう分かった、依存状態になってしまうことは分かった。だがスマホに依存すること=馬鹿になることの直接的な因果関係がねぇだろうが!」


そう思う方はいるでしょう。

スマホで馬鹿になるというより、SNSやゲームに依存して勉強などに費やす時間が削られるから、結果として馬鹿になる副作用が正しい解釈。

つまり計画的にスマホを見る時間を決めていれば、勉強に費やす時間を確保していれば、馬鹿になることはないだろう。はい論破。


ですがね、残念ながらそれは甘いです。


なぜなら勉強してるか否か、それ以前の原因にまで根強く繋がっているからです。


依存状態の恐ろしいところ、それは依存している物事が常に頭の片隅に置かれてしまうこと。

薬物中毒者が落ち着かなくなるように、喫煙者が次第にイライラするように、たとえスマホを見ていない時間であっても、スマホのことが頭から離れなくなってしまうのです。


例えるならそれは常時起動のアプリに似ています。

本来のスペックなら容易に処理できるはずのタスクが、常時起動のアプリがメモリを使ってしまい、想定以上に時間を喰ってしまう。


同様のことが脳内で起こります。

スマホを見たい、SNSを見たいという常時起動で無意識の欲望が、100%使えるはずの脳の処理能力を落としてしまいます。

これには根拠があり、実験により明らかになっています。

アメリカ、テキサス大学の実験によると——


①机の上にスマホを置いている状態

②ポケットや鞄にスマホを入れている状態

③スマホを部屋の外に置いている状態


この3グループで、記憶力や集中力を計るテストをしました。

結果は③の成績が一番良く、①の成績が最も悪くなりました。

これは視界にスマホがあることで気を取られてしまったからだと想像できますが、問題は②においても③より成績が悪化したこと。

例え目に入っておらずとも、スマホを意識する環境が強ければ強いほど、脳のスペックは落ちていくということです。

おまけに被験者たちは、スマホを意識していたという自覚症状はありません。潜在意識レベルまで浸透しているのです。


一応、スマホを作る企業は馬鹿にさせたい訳ではないと補足しておきます。

しかし自社のコンテンツを栄えさせたい以上、依存状態を狙うのは戦略として必然であり、今後はAIの発展とビッグデータの一層の収集により、更に人心を操作できるようになるでしょう。


2.画面の光が脳を麻痺させる

電子書籍が普及する中、従来の書籍は発行部数が厳しくなりつつあります。

また新聞は2022年12月の統計で、昨年度から発行部数が196万部減り、年間発行部数が3000万部を切ったと発表しました。

2010年までは5000万部前後を発行していたことから考えると、その衰退ぶりの顕著さが伺えます。


電子書籍なら本がかさばることもなく、注文して届くまでの時間を待つ必要もありません。

紙には紙の良さがある! なんて、主観的で根拠のないことを言うつもりはありません。

合理的に考えれば紙の本で読むメリットは限りなく薄いように思えます。

しかしここ最近の研究で、紙の本と電子書籍では読解力に差が出ることが明らかになりました。


2022年の昭和大学の実験


1.電子書籍で読書した場合、紙の読書に比べて脳の前頭前野が活性化していることを発見。

2.脳が過剰に活性化すると読解力が落ちるということは、過去の実験で既に分かっていること。

1と2より、電子書籍の場合に読解力が落ちる。


ということですが、なぜ電子書籍だと前頭前野が活性化するのか。

それはスマホやパソコンの画面から発する光が注意力を刺激し、深呼吸の回数を著しく減らしてしまうから。

実験では3000文字の読書を紙と電子書籍で分け、それぞれの深呼吸回数を計ったところ――


紙書籍 平均3.3回

電子書籍 平均1.8回


という結果が得られました。

深呼吸の減少により脳の負担が増大→前頭前野が活性化→読解力の減少

こういう図式が出来上がる訳です。

紙から電子に切り替えた方は、無意識の内に読解力が低下している恐れが高いです。

つまり言い方は悪いですがバカになるということ。


ちなみに意識的に深呼吸をすることで読解力低下を回避できる!

そう説明しているケースが見られます。

これは間違いではありませんが、しかし実験でいう3000文字は7~8分あれば読み切れます。

数万から十数万文字ある書籍を読む場合は3000字ごと、つまり7~8分ごとに深呼吸をすることを意識して読んでなんかいられますか?

夢中の状態は時間を忘れてしまうものではありませんか? 


夢中は心理学的に『フロー』と言います。フロー状態に必要な条件として、意識が散漫にならない環境があげられます。

深呼吸をしなければ、ということを頭の片隅に置くことが意識の散漫に繋がってしまうのです。

そんなことをわざわざ意識せずとも、自然と深呼吸を行える紙の本の方が、どちらにしろ読解力は増してしまう傾向にあるでしょう。


ちなみに筆者は電子書籍ばかりです。

はい、人のこと言えません。


といってもスマホやPCは手放せない

事実はこれに尽きます。

情報化が進む中、スマホがないと日常生活に多大な影響が出るのは間違いありません。

今後はさらに必要不可欠となるでしょう。


スマホ依存を完全に防ぐことはできません。

しかし100%依存してるorしてない、というゼロイチ問題でもありません。


依存にも程度があり、症状が浅ければ脳の処理能力低下も抑えられます。

見る時間を決めたところで甘い! なんて先程は言いましたが、依存を抑えるという意味では大きな効果を果たします。


光に関しても、ブルーライトを低減すれば前頭前野の活性化もある程度防ぐことができるでしょう。


「スマホやゲームで馬鹿になるなんてステレオタイプな老害たちの妄言だ」

などと一蹴せずに、事実を踏まえた上で上手な付き合い方を見つけていければよいなと思います。


★参考文献

Newton2023年1月号

岡田斗司夫youtube スマホは「持っているだけ」でバカになる!精神医学最前線『スマホ脳』徹底解説 #384

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