生を天の一方地の一角に享けて悠々たる行路を辿り相携えて無窮の天に帰る者

大津にとって忘れえぬ人々とは「これらの人々を見た時の周囲の光景のうちに立つこれらの人々である」。
原稿最後に書き加えたのが,秋山でなく,亀屋の主人であったのも,よそから来た旅客より,溝口の自然や環境に溶けこみ土地と共生する「周囲の光景のうちに立つ」人が油然として心に浮かんできたからである。

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