第95話:秋の公園で熱い熱い展開に驚愕
「あーれーもーヒヨ、これもヒヨ、それもヒヨ、ぜんぶヒヨっ」
「何を嬉しそうに歌ってやがりますか、この
あはは。
蘭先輩と方菜ちゃんの、漫才コンビ。
おもろい。
それより。
突然始まった、秋。
いやぁ、もう、昨日まで夏だと思っていたら。
暑い暑いと、思っていたら。
一気に、秋。
どぉゆぅこと!?
だよね。
アオバト撮影のバイク遠征以外では。
休日の公園で、たむろ。
でも、夏の公園は、静か。
秋に、なれば!
と、思っていたけれど。
「確かに、ヒヨドリの声しか聞こえないねぇ……」
「あっちでモズ鳴いとったけどな」
「ここ数年で、どんどん、鳥の数、減ってるよなぁ……」
カワサキさんが、しみ、じみ。
おっしゃる通り。
どんどんと、鳥さんが、減ってる。
気がする、じゃなくて、本当に、減ってる。
「この
そう。
朽ちた樹をそのままにしておくと。
倒れちゃって、公園を訪れる人が巻き込まれてケガでもしたら、大変。
なので、管理員さんたちが、業者を呼んでしょっちゅう、あちこち、切り倒してる。
わたしが鳥撮りを始めた、六年前から比べると。
圧倒的に、樹の数も減ってるのが、わかる。
それに比例するように。
鳥さんの、数も。
「ここだけじゃなくて、全国的にそうみたいだけどねぇ……」
さらに、しみじみカワサキさん。
「ホンマや。キビタキくらいしか観とらンでしかもメスだけやオスどこ行ってン」
嘆きの、方菜ちゃん。
「えー、メス、可愛いじゃん」
「アホ、オスのが色もエエしカッコええやンけ」
「そぉかなぁ、色は確かにキレイだけど、オスってなんかイカツイ気がする」
「ソレがエエんやンけ。オスやオス! オスがエェねんっ! オス連れてこんかいっ!」
さらに吠える、方菜ちゃん。
いや、方菜ちゃん、それは…・…。
「方菜、
あ。蘭先輩が、ツッコミ。
「なっ、なっ、ちゃうわアホっ、ボケちゃうわ色ボケ言うたら蘭の方やろ」
方菜ちゃんの反撃に、蘭先輩も。
「なっ!? 私のどこが色ボケとおっしゃいますか」
しかし。
方菜ちゃんの。
「カワサキはンにいっつも色目使ぅとるやンけっ」
えげつない、再反撃。
あっちゃぁ……。
見て見ぬフリをしてるのに。
ぶちまけちゃいましたね。
「え?」
ほら。
カワサキさん、目が点になってますわよ。
あらやだ。
蘭先輩のが伝染しちゃった?
方菜ちゃんの関西弁も、しかり。
わたしって。
影響、受けやすい、の、かなぁ……。
それは、ともかく。
「ちょっ! 方菜っ! あんたっ! あっ! あっ! あのっ! あのっ!おじさまっ! ぁぁあああああああああっ!」
蘭先輩、絶叫。
「あぁあああああ、もぉおおおおおおおっ、こーなったらぁあああああおじさまあああああっ」
いや、蘭先輩。
あ。
蘭先輩。
実は、本当に、先輩だった事が、判明。
小学校低学年の頃に、海外に居たらしく。
日本に戻ってなんやかんやで、一学年ずらして通学してたらしく。
同じ学年だったけど。
実は、一歳、年上だった事実。
大学出てから判明した、衝撃の事実。
先輩先輩言ってたけど。
本当に、先輩だったとわっ!?
それより。
その、先輩が。
さらに大先輩の、大叔父さま。
お祖母さんの、お兄さんの、カワサキさんこと。
ホンダタクトさんに向かって。
「おじさまっ! わたくしとっ! わたくしと結婚っ! けけけ結婚してくださいまし!」
あははははは。
早朝の、
カメラ担いで、突然の。
熱烈、プロポーズ。
キョトン顔、カワサキさん。
帽子をとって。
帽子を持った手で、そのまま。
まぁるい頭を、ぽりぽり、と、掻きつつ。
少し赤らんだ頬で。
「蘭…………」
おぉおおお?
どうなる、この、展開っ!?
次回へと、つづくっ!?
いや、わたし。
誰に行ってるんだろう?
まぁ。
どうなるに、せよ。
温かく、見守るしか。
ないよなぁああああああ、これ。
どうすんのよぉおおおおおっ。
「おぉ、おもろいことなっとんがな」
方菜ちゃん、あなたねぇ……。
バード・ガール~鳥撮り少女 なるるん @nrrn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。バード・ガール~鳥撮り少女の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます