第4話:その少年。国王のアルバイトをすることに?


「敵騎直上、急降下!」

「取り舵いっぱーい! 衝撃に備えよ!」


 ずががが~~~ん!!


「艦長! 艦載竜の檻が破損! 騎竜が暴れまわっております! 徹甲榴弾が誘爆して火災!」

「艦外へ廃棄せよ! 応急班、火災鎮火急げ!」


 大海の戦略的価値のないミドウエ島沖で起きた大海空戦にてライトシューズ海軍は一方的な勝利を得た。


 その後、援軍として派遣されて来たメリケンコ合州軍と共に、帝国侵攻軍を完膚なきまでに叩き潰し、相手に屈辱的な講和条約を結べるところまで持って行った。


 しかし王国軍総司令官であるライトシューズ王太子アルフレートは「あまり屈辱的な講和条約だと今後の世界情勢が不安定になる」として、帝国に対して大分甘い講和条約になった


 かに見えた。


 実体は、とある秘密結社による裏からの支配が着実に完成へと向かっていくことになる。



 ◇ ◇ ◇ ◇



「王太子よ。一時はどうなるかと思っておったが、そなたは実力を持って我が期待、いや全国民の期待にこたえられるようによく精進した。

 儂はもう老いた。後はお前に任せて、隠居して余生を離宮にて過ごすことに決めた」


 俺の前にいるじーさんが何かを言っている。


 左右に並んでいる連中の眼が笑っている。


 宰相が「してやったり」という顔をしてサムズアップをしている。


 はめられた!


 あの戦闘の後、国外逃亡をしようとした。

 このままでいたら本当の王子とすり替えられてしまう危険を感じた。


 最近、王太子の情報が上がってこない。

 ボースンが情報操作をしている。

 情報を握る奴には逆らえない。それが世界の真理だ。


「アルフ。あのお花畑な二人はお花畑でつつましく生活しているから、お前は観念してイバラの玉座に座って仕事するんだな」


 いや。指導者の仕事いいけどね。情報を支配する全能感があって。


 でも俺。

 下町で靴磨きと情報屋やっていた方が気楽でよかった!

 誰が何といおうと単なるフリーターです。

 どうしてこうなった!?



 ◇ ◇ ◇ ◇



「この生活も捨てたものではないな。水汲み掃除洗濯が大変だが」


 遠くの国へ追放された王太子は身分を明かさないことを条件に、自由な生活を送ることを許された。愛するフランジュとの蜜月な一生を過ごすことを夢見て。


「何であたしが靴磨きなんかしなくちゃなんないのよ! せっかくもう少しで王妃になれたのに! あんたがボケカスだからいけないのよ!」


 靴墨できれいな顔を真っ黒に汚したフランジュが、元王太子に八つ当たりする。


「ああ! こんなだったら男爵家に行かず、幼馴染のアルフにアタックするんだったわ! どうせこいつと似たような顔だったし」


 どうもこの女。

 儚い表情は眼がよく見えていないからであるらしい。


 やはり情報は大事だ。




 こうしてライトシューズ王国アルフレート情報王はその治世下で王国の全盛期を築き始めた。




 ◇◇◇◇


 お粗末でした!


 一気の読めて、「満足した」と思われましたら★で評価してください。自分でも結構楽しんで書きました(^^♪

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街角で情報屋をやっていたら王太子の代役アルバイトをすることに。給料がウマウマなんですが国王にされそうなんで逃げてもいいっすか? 🅰️天のまにまに @pon_zu

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