貶された空・薔薇

――空を撃ち落とせ!


あの空ってやつはいつも我が物顔で上から見下ろしやがって許せない!


雨だって雷だって雹だって降らしやがって、そのくせ被害が出ても「仕方がないな」とかそんな言葉で許されるのだ!


そんなことがあってよいはずがない!


奴に思い知らせる、不公平さを


理解かっているさ

空を撃ち落としたところで意味がない

自分と同じ地上に貶めて泥に塗れさせたって俺達の物語は好転しないと


が!

許せんのだ!


奴は落とせないと思っている!

思われている!


それが許せん!


空は落とせる! 落とせるのだ!

そのために、それを証明するために俺はやる!

やる価値がある!


だから俺をロケットにぶち込んで、あそこまで飛ばせてくれ

どれだけ支離滅裂でも、やる意味がある、生きている意味がある


もしこの思いが叶わぬなら、流星となって墜ちてみせよう

世の中に煌めきを 消えぬ執念の炎となりバラ撒きを


そして百年が過ぎた


悪辣たる科学の工場が地上に蔓延って

空に毒をバラ撒いた


目的は達された

人々の意識から空が無くなった


貴方に捧ぐ花言葉

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