睡蓮
初めて見えた外の景色は
雪が降っていたよ
夜になればサンタクロースが
やって来るような
きっと、それは都合の良い
デコレされて見えた話
心のなかで大きく見せて
振り返られずに
長く過ごした青春時代は
雨が降っていたよ
希望に触れて、叶わぬこと
怯え続けて
だから、それは都合の良い
デコレされて見えた話
どんな暗い想い出でも
今は懐かしく思うから
芽吹き出した、ここで
水面に溶け出た睡蓮
良いことでも、
輝き見えたよ
時を経ていくほどに
記憶に溶け込むほどに
離れるほど
彩られていくから
私は、悲しい
長い雨が過ぎ去りし後
ふと暖かさに包まれて
穏やかな日々が影を覆い
救われたような
きっと、それは都合の良い
デコレされて見えた話
やがて酷い嵐が全てを
さらってしまったから
けれど
今は、酷いこと何もかも懐かしくて
傷ついてもまた一から経験したい
何故だろう――
目覚め出した、ここで
水面に広がる睡蓮
想い出になるよ
貴方がいた、ここに
終わりが近づくほどに
色褪せても
思い出せるから
私は、空しい
出逢いは今ここで
視界に溶け込む睡蓮
夢見心地でも、幻でも
癒やせてしまうよ
貴方は今ここに
恋しく思えるほどに
触れなくとも
思い出せるから
眠ってしまうよ
この思いはここに
水面に溶け出た睡蓮……
世界は今ここに
貴方が眩しいほどに
いつまでも
微笑んで見えるから
私は、悲しい
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