三
二週間程して、
赤十字病院の病室には、洗足の伯父と渋谷の伯父(之は、例のお髯の伯父と洗足の伯父の間の伯父であった。その頃遠く
次に三造が受取った伯父に就いての報知は、いよいよ
病気が進むにつれ、人に対する好悪が益々ひどくなり側に附添うことを許されるのは、三造の他四五人しかいなかった。その四五人にも、伯父は絶えず何か小言を言続けていた。田舎からわざわざ見舞に来た三造の伯母──伯父の妹──などは、何か気に入らぬことがあるとて、病室へも通されなかった。三造にとって一番たまらないのは、伯父が看護婦を
病人の苦痛は極めて激しいもののようであった。食物という食物は、まるで
それから伯父は其の薬を飲み、やがて寝入って了った。三造は其の晩ずっと、眠続けている伯父の側について見守った。一時の感動が過ぎると、彼には先刻の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます