四
(一) 彼の意志、(と三造は、
自分が
(二) 彼の感情
論理的推論は学問的理解の過程に
自己、及び自己の教養に対する強い確信にも係らず、なお、自己の教養以外にも多くの学問的世界のあることを知るが故に、彼は
(ここまで書いて来た三造は、絶えず自分につきまとっている気持──自分自身の中にある所のものを憎み、自身の中に無いものを希求している彼の気持──が、伯父に対する彼の見方に非常に影響していることに気が付き始めた。彼は自分自身の中に、何かしら「
(三) 移り気
彼の感情も意志も、その儒教倫理(とばかりは言えない。その儒教道徳と、それから
これには、彼の幼時からの書斎的俊敏が大いにあずかっている。彼が一生ついに何等のまとまった労作をも残し得なかったのは此の故である。決して彼が不遇なのでも何でもない。その自己の才能に対する無反省な過信は
(このような批判を心の中に繰返しながら、三造は、こう考えている自分自身の物の見方が、あまりに
彼は少々
伯父から享けたものとしては、先ず、其の非論理的な傾向、気まぐれ、現実に
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