おひさまいろの海
みその ちい
第1話 山のうえに
山のうえにある、山のうえ村に一ぴきのみけねこがいました。
名前はみぃといいます。
みぃは一日中、山のてっぺんの岩にすわって、海をみていました。
みぃは何より海が好きなのです。
ここは太平洋という海に、ちょこんと浮かぶ小さな島です。
まわりに島はなく見渡すかぎり、まんまんと水をたたえた海が続いています。
海は鏡のように空をうつします。
空が雲ひとつなくまっ青に晴れ渡っているとき、海は青いクレヨンを
なにも混ぜないでそのまま溶かしたような色をしています。
空に雲が浮かぶと、海のなかに深い緑色のクレヨンでかいた大きな怪獣が
あらわれます。怪獣は雲と一緒にうごきます。
おひさまがのぼると、海はおひさまいろにかがやきます。
おひさまいろのクレヨンはありません。
おひさまいろはおひさまにしか作れないからです。
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