第7話 長老ねこ

 くろにゃんとしろにゃんは、山をのぼって、

山のうえ村の長老ねこに会いに行きました。


「だめにゃん、いますか?」

くろにゃんがおそるおそるたずねました。

「だめにゃんなんて子は、ここにはおらんなぁ」

白くなったひげをさわりながら、長老ねこはゆっくりと言いました。


「ほら、もたもたしているっていうか、のんびりした子で、

 まちがえてばかりっていうか、なかなか覚えられない子でぇ…」

しろにゃんは、だめにゃんの名前をどうしても思いだせないので、

しかたなく言いました。


「最初はみんなそうさ。おまえたちはちがうのかい?」

長老ねこは聞きました。やさしい声でした。

「そうだけどぉどなるとよけいモタモタして、まちがえてばかりいるんだよ」

くろにゃんが消えいりそうな声で言いました。


「はやくおまえたちのようになりたいって、あわててしまったんだな。

 おまえたちのこと…ずっとみていたよ。あこがれていたんだなぁ…。

 その子は…ぜんぶだめにゃんだったかい?」

 

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