奴隷少女は幸せを噛みしめたい

　とある国で、亜人の奴隷を死ぬまで戦わせて頂点を決めるという闘技大会行われていた。

　狼系亜人の少女クウカは、そんな大会に参加する「亜人闘士」である。種族的に精々一回戦突破が関の山だと思われていた彼女だったが、なんと二回戦で優勝候補を破る大番狂わせを起こしてしまう。

　一方で大会期間中、亜人闘士を生活面で支える「サポーター」としてクウカと生活を共にしていた青年ジン。彼は同居人が起こした世紀の番狂わせで大衆が沸く中、彼女の敗北すなわち死のことを考えてはひとり胸をざわつかせていた。

　クウカとジンの二人、彼らが次の三回戦までの三日間、足掻いたり足掻かなかったりする話。