一人称が効果的に使われた物語

 本作の主人公は京都から東京の大学に進学しており、法事のため帰省します。京都の夏の風景が丁寧に描かれており郷愁を誘う一方、東京に行ったことで外からの視点を持った主人公が故郷の異常な雰囲気を感じ取っているように思いました。しかし、後編になると背景に見え隠れしていた真実が明らかになり、ラスト、東京に戻った主人公のシーンで一人称が効果的に使われておりゾッとしました。

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