男子校に、BでLな恋の花は開くのか

茶髪の派手め男子南城くんと、真面目を絵に描いたような黒髪眼鏡の神田くん。とある男子校に通う二人は、家がお隣同士の幼馴染み。

男子校となると、当然異性と接する機会は少ないです。しかし、ならば恋愛もしにくいかというと大間違い。女の子との恋愛がしにくいのなら、男の子同士で恋愛すればいいのです。
南城くんと神田くんだって、口にこそ出しませんが、実は互いのことを思いあっている。そしてその気持ちは周囲にもバレバレ。暖かく見守るどころか、積極的にくっつけようとする奴だっています。

その積極的にくっつけようとする奴というのが、本作の魅力の一つ。
ハッピーエンド請負人という異名をもつ遠藤くんが、なんやかんやで二人がくっつきそうなシチュエーションを用意したり、固唾を飲んで見守ったりしてくれるのですが、応援するその姿はまさに読者の分身。さらに、推しカプのためならサラッと人知を超えたことすらもやってくれる。君、いったい何者？

壮大な伏線もストーリーもないある本作ですが、そのかわり、尊さあり、ジレジレあり、笑いあり。
美味しいところだけを抽出した男子高校生BLを、心ゆくまで楽しみましょう。