5.とくべつ
好きになったところで、私と
クラスでも、美術部でも、
遠くから見ているだけでじゅうぶんだと、初めは思っていた。
でも、わがままな私は
そんなころの、美術部の活動終わり。
お
「そういえば
女の子が、そうたずねた。二人の目の前には、
「ああ、レイネのこと? そうだね」
「レイネって言うんだ、この子。名前までつけてるとか、やっぱ
「あはは、そうかな? ……まあ、レイネは、わたしの
――とくべつ。
そう言った
「ふうん、そうなんだね。というかさ、そろそろ行こうぜ、アイスでも買って帰ろ」
「おっ、いいね。行こう!」
二人は帰り
そっと、部室に入る。
私はその
そしてそこに佇んでいる、
「……レイネ」
私はつぶやくように、その名前を口にした。
「何で、」
目の中に、
「
私だけを、
……それなのに。
どうして、絵の中に
私はくずおれて、
*
中学校を卒業した私は、自由な
真っ黒だった
カラーコンタクトで、
アイライナーで、二つの
黒い服ばかりを、着るようになった。
レイネがうらやましかった。うらやましくて、たまらなかった。
だから私は、レイネになろうとした。
――そうしてもう一度、
*
ゆっくりと、目を開いた。
目を
私は目を
高校生になった
私は手でそっと、自分の
……ほんとうは、ありのままの
つくりものの、
あいされたかった。
「うう……」
口からこぼれる
心の中に
深窓のレイネ 汐海有真(白木犀) @tea_olive
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