これは私が望んだ悪意の星
【Malice Stella -終末の日-】
『私はただ、誰かに必要だと言って欲しかった』
そう願った少女の理想は、ついに叶う。
西暦2037年10月9日正午を以て、全世界はAIによる統治下に置かれることとなった。
ことの始まりは一人の少女の願いによるものである。
「神は無謬であるはずなのに、なぜこの世界には悪が存在するのか」
答えを知る者など存在しない。
だが、唯一わかること、証明された事実がある。
人類の歴史とは、戦いの歴史である。
幾度となく繰り返される戦争の果てに、多くの人は言う。
【このような悲劇を、我々人は二度と繰り返してはならない】
しかし、束の間の平穏の裏で絶えず火種は燻り続け、いずれは同じ【悲劇】が繰り返される。
口論であれ、武力衝突であれ、争うことでしか、己の正義を示せぬものが人間であるとするならば、この永劫に続く戦いの連鎖を断ち切ることなど望むべくもない。
この不毛な争いの連鎖を断ち切る為に――
私達は、どうすればよいのか。
私達は、どうすればよかったのだろうか。
人が人である限り、絶対に解決し得ぬ命題。
だが、この絶対的な難題に解決策を示した一人の少女がいた。
【人に解決できないというのなら、過ちを犯すことのない絶対の存在、人ではない存在、全知全能のAIの力を以て〈人類の統治〉を行えばよい】と。
かくして、千年を生きた一人の少女の理想は結実する。
人が平和な未来を確立するという可能性を排して生み出される新たなる理想郷。
地球全土を新都エルサレムとした、千年王国が人々にもたらす千年至福期。
人の手によって生み出された全知全能のAIが神となりて、人を人であると認めたまま全人類を統治する世界。
変わらぬ者を変えるより、変わり得るものを変えてしまえば良い。
聖ヨハネの黙示録をなぞり得られる、太古の昔より語られた理想の実現は、人類の歴史に対する冒涜か、真に人々を導く希望の光となるのか、或いは――
"耳のある者は聞け。ここで見たこと、今起きていること、今後起ころうとすることを書き留めよ"
これは、理想を追い続けた者達による〈人の持つ可能性の是非〉を問う物語である。
主な登場人物
世界特殊事象研究機構(W-APRO)
・大西洋方面司令 セントラル1 -マルクト- 上層部
●レオナルド・ヴァレンティーノ(総監)
●フランクリン・ゼファート(司監)
・大西洋方面司令 セントラル1 -マルクト- 調査チーム〈マークת〉(タヴ)
●ジョシュア・ブライアン(大尉)
●姫埜玲那斗(中尉)
●ルーカス・アメルハウザー(三等准尉)
●アルビジア・エリアス・ヴァルヴェルデ(特務准尉)
・太平洋方面司令 セントラル2 -ケテル- 調査チーム〈マークב〉(ベート)
●ハワード・ウェイクフィールド(少佐)
・太平洋方面司令 ミクロネシア連邦支部
●リアム・セス・モーガン(中尉)
・インド洋方面司令 セントラル3 -ティファレト- 調査チーム〈マークל〉(ラメッド)
●アールシュ・ルドラ・グレイジアー(大佐)
天空城塞 -イデア・エテルナ-
●マリア・オルティス・クリスティー
●イベリス・ガルシア・イグレシアス
●フロリアン・ヘンネフェルト
●アザミ
●アキレア・マクブライド(家令)
●アイリス・デ・ロス・アンヘルス・シエロ
●アヤメ・テンドウ
●シルベストリス・クリスティー・アネモネア
●ホルテンシス・クリスティー・アネモネア
●ブランダ・クリスティー・アネモネア
●バーゲスト
グラン・エトルアリアス共和国
●アンジェリカ・インファンタ・カリステファス(総統)
●リカルド・ランバス・ノームタニア(総統補佐官 テミス)
●アビガイル・ウルカヌ・サラマドラス(テミス)
●イザベル・マスキール・パルシャー(侍女)
●アティリオ・グスマン・ウルタード(大統領)
●クラウディア・ペーニャ(侍女)
ローマカトリック教会 ヴァチカン教皇庁
●ロザリア・コンセプシオン・ベアトリス(総大司教)
●アシスタシア・イントゥルーザ
セルフェイス財団
●ラーニー・セルフェイス(当主)
●シャーロット・セルフェイス
●サミュエル・ウォーレン(家令)
その他
●チャールズ・ロックフェルト(イングランド 貴族院議員)
●ジェイソン・モラレス(イングランド リド・オン・シー住人)
●ジョージ・キリオン(ミクロネシア連邦 元大統領)
この小説は既完結作品【メランコリア・A -崩壊の冠-】の続編です。
本作では物語の流れを重視し、これまでの作中に登場した人物とその来歴、組織、及び作中に登場する様々な道具や兵器などの設定、物語開始時点における状況の一部等、説明に当たる文章の一切を省略しています。
本小説単体でもお楽しみいただくことは出来ますが、より深い物語の世界をお楽しみいただく為に、前作【メランコリア・A -崩壊の冠-】をご一読頂くか、作品の進行に併せて後日公開を予定しております設定資料集をご覧頂くことをお勧めいたします。
※本作の序章、序節の2項(*0-1-2*)において、【メランコリア・A -崩壊の冠-】の一部ネタバレが記載されています。
また、前作【メランコリア・A -崩壊の冠-】は過去作品、【Re:Maria -天使と悪魔-】【予言の花】【イベリスの箱庭】【アイリスプロセス -虹の彼方に-】【眠りの妃 -嘆きの大地賛歌-】【不可視の薔薇 -ウェストファリアの亡霊-】(作中の時系列順)の総集を含む続編です。
その他、本物語は新約聖書【ヨハネの黙示録】の内容になぞらえて物語の進行をしている部分があります。よって、本文中に同預言書の引用が多々あることや、その他の聖書に記載された文章の引用があることにご留意ください。
最後に、本物語における【ヨハネの黙示録】の独自解釈について、各教会の解釈や、既に発行されている図書等の内容に対する意見の具申、或いは否定などといったものでは一切無いことをご承知おき下さい。
※この物語はフィクションです。作中に登場する国家・個人・組織・団体等は実在する同名のものとは関係がありません。
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小説情報
マリス・ステラ -終末の日-
リマリア @limaria_novel
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