怖いと不思議が同居する曖昧な境界線

身近でありそうな怖い出来事を綴っていく短編集です。

第3話まで読ませていただきましたが、怖いのはとことん怖いし、ゾッとするものはゾッとする。だけど、不思議な話や人情味ある話も、という怖さと不思議な感じが同居するような雰囲気のある作りになっています。

語り手のテンポもよくて1話1話も短いので、ポンポンポンと読み進めていける快適さもあります。

よく、怪異が起こるのは何かと何かの「境界線」という話を聞きますが、この作品をずっと読んでいるとそんな境界線に佇んでいるような気持ちになるのでは。

暑くて暑くて暑い日がまだまだ続きそうな今年の夏。少し涼やかな体験をするのにピッタリな作品です。

素敵な話をありがとうございました。

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