『遠野物語』のようなオムニバス

恐怖体験の形をとるオムニバス。個人的には、荒神(庚申信仰)に絡んだ物語がとくに興味深く感じられました。

庚申碑は、江戸時代に流行した信仰で、三波石(片岩)を使ったものが多くあります。三波石は、中世中産階級層の墓石として用いられていました。作品の中で、行き倒れの旅人を埋葬し、荒神として祀った碑というのは、庚申碑というよりは、中世のそこそこの身分があった地元の方の墓石と見る私です。

その他のおすすめレビュー

五色泉《ごしき・いずみ》さんの他のおすすめレビュー341