合わさり、混ざり、ぐちゃぐちゃに

カクヨムでこんな作品に出会えるとは思ってもみませんでした。
不条理というか、ブラックユーモアというか。はたまたコメディなのか。それらが本作のタイトルの如くに入り乱れており、一話完結の連作としても読みたいと思う作品でした。自分の読書経験が浅いというのもありますが、小説でここまで腕を掴まれてぐいぐい引き込まれたのは数えるほどですね。

お世辞にも品があるとはいえない作品ですが、それを軽妙な文章で作り上げているのがずるい。これが落書きのような仕上がりだったら、読んでいなかったなと。私自身、作中に登場する人物と似た方を介抱したことがあり、もしかすると彼の目にはこんな世界が見えていたのかな、と思ったりもしました。想像と現実の狭間を巧みに浮き上がらせる筆致。それが織りなす整然とした支離滅裂さ。

本作に興味を持った方は、そんな不思議な世界にどっぷりと浸かってみてください。