第5話
妊娠が発覚したのが9月。
出産予定日が翌年の6月。
この間に色々ありまして・・・
もぅ、ホント考えられないくらい最悪続きでした。
ヨシオの浮気・無断外泊・借金・束縛・etc..←
サラッと書きましたが、毎日が悪夢のような日々。
後輩と飲みに行く
と言って連日のように家を空け
帰ってくるのはいつも午前様。
帰宅時には酒の匂いではなく、シャンプーの香りをプンプンさせてる時もあったな・・・(-_-;)
それでも激しく言わない私を尻目に、帰って来ない日もあった。
遊びに夢中過ぎてヨシオは仕事にも行けない日もあった。
結局、無断欠勤で仕事を辞めたんだよね。
これから子供が産まれるっていうのに、父親が無職だよ?
こんなの、考えられないでしょ?(笑)
ありえないよね?
他にも
私の友達が、「子供生まれてきたら遊べなくなるから」と、今のうちに楽しい思い出をつくろうと色々と誘ってくれたんです。
けど、ことごとくヨシオに反対されて…
当然、誘ってくれた友達からは大ブーイング。
学生時代から、性別・年齢問わず友達は多かった私。
なのに、女友達からの誘いにすら行けず…
だんだんと友達と距離がうまれる。
次第に引きこもっていく私。。。
『こんなの、SHIHOらしくないよ!』
親友のマサヨがヨシオに立ち向かってくれた事もあった。
けど、のれんに腕押し…
「妊婦のSHIHOを誘う方が悪い」
と言って、ヨシオはマサヨを非難した。
渦中の私はというと
こんな事されても「私が頑張ればなんとかなる!」
と、目の前に起きている理不尽さを自分に納得させようと強気に見せる自分がいた。
・・・今思うとそれが一番ありえない。
頭がおかしいやつ。
7月にミカに対するハジメのしてきた行動に私はあんなに憤慨したのに
今の私はなに?
「ヨシオのことが好きだから」と離れる事もできず・・・
これが惚れた弱みというの?
もちろん、親からも、子供は諦めてヨシオとは別れろ!
と言われ続けました。
当然ですよね。
弱虫だった私は、
お腹にいる子供と、そんな哀れなヨシオを捨てることができず
一緒に生きる道を選んだのです。
ブツクサ文句言いながらだったけど(笑)
そして・・・
6月19日午後9時
陣痛到来!
なんとも言えない鈍い痛みが突然訪れた。
実家にいた私は、ただひたすら痛みに耐え、その痛みが10分間隔をきった。
翌日6月20日午前5時すぎ。
痛みに我慢できなくなり、まだ眠っている親を起こしてお願いした。
私「陣痛が強くなってきたから病院へ連れて行ってください。お願いします。」
親「は?いつの間に?」
私「10分間隔きってる。」
親「ヨシオは?ヨシオには連絡したの?」
私「・・・電話に出ない。」
実は、19日に陣痛が始まって直ぐにヨシオには来て欲しいと電話した。
だけど、遠出をしていたらしく、直ぐには来られないとのことだった。
それからは陣痛が本格的になるまで電話で報告しようとした。
…んだけど、出なくなった。
何度もかけたけど、電話に出ない。
深夜の2時をチョット回ったくらいにヨシオから電話があった。
ヨシオ「すまん。すまん
出かけとって気づかんかった。」
(オマエ何のための携帯かっつーの)
私「・・・じ、陣痛が始まった。息するのも辛い」
ヨシオ「マジでや!?俺、今、天草におるとたいね。」
(天草は、私の実家から4時間はかかる場所。こんな夜中にナニヤッテンダコイツは)
私「入院するまで、まだ時間かかると思う。こっち来れそう?」
ヨシオ「あ今すぐは無理ばい。○○も一緒やけん。」
(○○とは、ヨシオの後輩。なんだけど、全てにおいて私の入る隙はない。常に私はこの後輩の次)
私「・・・・・・。うっ・・・・・・い、痛い」
(息するのもやっと。かすれるような小さな声でしか話せない)
ヨシオ「大丈夫や?」
私「入院するときに また電話する。その時は必ず電話に出てね」
ヨシオ「わかった!ガンバれよ」
そう言って電話を切り、ただひたすら陣痛の痛みに耐え間隔が縮まるのを待った。
そして20日の早朝5時。
まっすぐ立てないくらい、目も開けられないくらいの痛みに耐えながら、ヨシオに電話する。
出ない。
(コロスゾオマエ)
↑本気で思いました(笑)
この痛みがなくなった暁には、八つ裂きにしてやろうかと・・・
もういい。
諦めた。
ヨシオの事は知らん!
そう、自分に言い聞かせそんなふざけた自分の旦那の恥を忍んで親にお願いしたのでした。
病院に到着し、すぐに内診
医「子宮口が5㎝は開いてますね」
親「生まれるまで どの位かかりますか?」
医「初産だから昼頃ですかね」
親「分かりました。では その頃に来ます」
(えっ!?帰るの!?!?!?)
マジですか?
それから たった一人 ただひたすら耐えました。
痛み と 孤独 に・・・
それから3時間経過した
午前8時。
あまりの痛さに嘔吐
ナースを呼び、対応してもらい診察台へ
医「あら意外と早く進んだね!看護婦さん破水の準備して生まれるよ!」
私・・・
(やっと生まれる・・・)
そう心の中で少しの安堵感とラストスパートをかけながら
渾身の力を振り絞って・・・
午前8時30分
無事に女の子誕生
20歳の私。
孤独と痛みに耐え、
そして、この10ヵ月間の理不尽な夫ヨシオとの生活に耐えたマタニティライフもようやくピリオドを迎えた日。
母親になりました。
つづく…
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