陰惨かつ派手な情念の炎に焼かれる。

主人公の思考回路は、女そのもの。妬み、嗜虐心、自分のことしか考えない。大事なのは、自分の愛する男だけ──。男への情念。それが徹底している。

女は恋した相手に光濡れる。情欲の光。男は、その光る肌の合せをかき広げられれば、断ることはできない。
なんという淫靡で蠱惑的な世界。
そして、ヒーローがもう、格好良くって、甘くて、焦らして、からかう事を言って、「尊い夫」「極上の男」を体現してるんですよ。
───一度、肌が重なれば止まる術がなく、流れ落ちる勢いだった。
閨が惜しげもなく語られ、主人公の光が奔流となり、ごうと燃え盛るんですよ。
大好きな共寝シーン沢山あります。
私は堂々と言っちゃうよ!お子様や低俗な欲で読書する輩には太刀打ちできない世界だもんね!
物語の隅々から、暗紫紅の炎がほの暗く燃え続けています。焼かれますよ?
大人である紳士淑女の皆さまには、自信を持っておすすめします。

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