とても面白かったです!
本作は戦時下のパリと現代日本とを1話ごとに行き来する、少し変わった手法を使って書かれています。
最初は全く関係ない別のエピソードに見えたものが徐々に繋がりが見えていき、クライマックスに向けて全てが明かされていく構成の巧さに読んでいて夢中にさせられました。
作品名にもなっている「二重奏」の意味が明らかになった瞬間はとても感動的でしたので、ぜひ最後まで読んでいただくことをオススメします。
音楽をテーマにした作品なので、作中には様々なクラシック音楽が登場します。
実際に聴きながら読んでみると、より作品世界に浸れること間違いなしです。
世代を問わずどんな読み手にもおすすめしたい素敵な作品です。
キャッチコピーの「音楽×歴史×謎×ファンタジー」「バイオリン弾きのドラゴン」という文言に惹かれ、どんな内容なんだろう?と冒頭を読んでみたら……。
導入はファンタジー、次は戦時下のフランス、その次は現代の日本!?
一体どういうお話なの~!?と思った時にはこの作品が奏でるハーモニーの魅力に絡め取られていることでしょう。
個人的にドラゴンも宝石もクラシック音楽も好きなので、好物しか出てこないフルコースのような作品でした。最後まで楽しく堪能致しました。
普段クラシック音楽は聴かないという方も、この作品に登場した音楽家の曲に触れてみたらきっと楽しいと思います。
音楽に限らず、絵画や建造物や本などの昔から受け継がれているものは、後世に遺そうと誰かが思って行動したから現代に存在しているわけで、そういった人の営みって尊いよな……という気持ちにもなりました。
二人の友情が永く続くことを願ってやみません。