破天荒な天才たち
そいつの狂った才能は、まさに無邪気な悪餓鬼とも思えるようなものだった。
「うぉあああ!!? なんじゃこりゃ!」
「おはよう! わぁ、上手く生えてきたね!」
想像して欲しい。
黒髪短髪可愛気のない男に猫耳が付いていることを!
「可愛い! 平行世界の魔王をしていた僕の言う通りだ! 黒猫の耳と尻尾が良く似合っているね!」
「ちょっとやめてもらえませんかね!? 平行世界のお前たちで人に魔改造するの!」
「えー、だって自慢してくるんだよ? 僕だって可愛い君が見たい! ミニスカポリスな君が見たい!」
「俺は猫耳ミニスカポリスなんて見たくねーよ!!」
『ザ……ザザ……今入ったニュースによると……動物園の……きゃぁぁ!』
その時、垂れ流していたテレビから緊急ニュースが入る。
「今度はなんだ! 何をやらかした!」
力士だけじゃなくて今度は何を飛ばした!? サメか!? ダイオオイカか!!? それともマッコウクジラか!!?
「えー、僕何もしてないよ? ただちょーっとだけ動物とおしゃべりできたらいいなぁって」
『オロカナ……チキュウジンヨ……』
「動物園の動物を話せるようにしてIQを100倍にしただけでぇ……」
『ワラワレヲ……シイタゲテキタウラミ……イマコソ……ハラサデオクベキカ!!』
「猿の惑星になるじゃねーか!! 今すぐ止めろ!!」
その時、ピロンとあいつの胸ポケットから音が鳴る。
「あ、別次元からの僕から写真だ~。うっ! 何これ、そんな概念思い付いた事なかった! 可愛い、可愛すぎる! 君を搾乳できるようにしてからのアへ顔ダブルピースなんて天才か? もう一人の僕!」
「エグいわ! エグすぎるわ!!」
スパーンと今日も今日とてあいつの頭を叩きながら。
この破天荒な天才との、喧しくて騒々しい異常がこれからも続いていくのだろう。
破天荒な天才 弥生 @chikira
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