不遇な扱いの果てに巡り会えた、最愛の人
- ★★★ Excellent!!!
聖女の力を持ちながら、下民故に不遇な扱いを受け、何度も戦場に駆り出され、挙げ句姉のように慕っていた相手に崖から突き落とされてしまったステラ。
このまま幸薄い人生を閉じてしまうのか。
しかしそんなステラに、救いの主が現れます。
死にかけたステラを助けたのは、かつてステラが戦場で命を救った相手、ルカ。
実はルカは隣国の第三王子であり、彼を助けたこと、聖女の力を持つことをから、彼のいる国に身を置くことを許されます。
命が助かったばかりか王子様ともお近づきになれるなんて、これでステラの人生大逆転。と言いたいところですが、実はルカ、王子と言えどけっこうな訳ありで、周りの人々からは、腫れ物に触れるような扱い。このままシンデレラストーリーとなるには、その立場は微妙なところです。
ですがそんなもの、ステラには関係ありません。彼女にとっては立場や肩書きなんかより、命を助けてくれたこと、一人の人間として丁重に扱ってくれたことの方がずっと大事です。
一途にルカを慕い、そばにいたい、役に立ちたいと思う姿が本当に健気。
聖女とはいえ下民であったステラと、仮にも王子であるルカ。立場の全く違う二人ですが、ほとんど愛を知らずに育ったという悲しい共通点があり、それ故に心に空いてしまった穴を、互いが埋め合うようでもありました。
こんな二人だからこそ、幸せになってほしい。そんな読者の願い、お願いだから届いて。