時を止めた薔薇は、誰の為に咲き続けるのか?
- ★★★ Excellent!!!
ヴェネセティオ王国には人知れぬ言い伝えがあった。
それは『塔の中、不老不死の呪いにかけられた美しい姫が幽閉されている』というものである。
この姫の名は、アデライード。
古の呪いが刻み込まれた、亡国の王女であった。
第一王子レオネルは事の真偽を確かめるため、乳兄弟でもある側近のエリアスと共に、塔へと足を踏み入れた。
プロローグは過酷なものですが、だからこそアデライードに救いを!と、本気で思えるのです。
そんな彼女とレオネルの出逢いも、静かながらに強烈です。
それでも、アデライードにとって光が見えた瞬間だっただろうと、今の段階でも強く思います。
今、こちらの作品は第3章に入りましたが、アデライードが自ら凍らせてしまった心をゆっくりと溶かすような、包み込む強さを持ったレオネルとの日々に、切なくもときめきます。
お互いを分り合いたいがゆえに、ふとした事ですれ違う。
読者としては、このじれじれをもっと味わいたい!という気持ちと、早く2人の本当の気持ちが通じ合え!という気持ちにハラハラドキドキさせられます。
しかし、2人の距離が縮まろうとしている時に、強力なライバルも現れて……。
これがまた魅力的で、アデライードとレオネルにないものを持つ方達なのです。
だからこそ、読まれた方は誰を応援するのか?
それも、楽しみのひとつと言えます。
アデライードにかけられた呪いは解けるのか?
薔薇のように気高い美しさをもつアデライードですが、彼女は誰の光を求めて咲き誇るのか。
これからのアデライードの選択に目が離せません。
深い愛にはどのような種類があるのか、それを知りたい方は是非こちらの作品をお読み下さい。
それぞれの愛を知った時、あなたなら誰を選ぶのでしょうか?