書くって、命を燃やすようで。
多くのエネルギーを消耗している。
書くって、自分の想いとは、逆方向に評価されることがあって。
まったく逆方向で。
まったく納得がいかないのに。
どうしてか、読者が喜んでくれる瞬間があって。
後悔が残るはずなのに
最高の作品と評価されることもあって。
この物語の、作品を綴った作者は余命半年の高校生。
彼女は、バッドエンドを好んだ。
だって、世の中そんなに綺麗じゃないから。
読者である親友が、作品と共に
追いかけ続けた、彼女の物語。
物語が、誰かのなかで生き続けたら
それは、きっと。
NEVER ENDINGなのだと思います。
考えさせられる。そして、どこか背中を押される、
そんな物語。
主人公の凪咲は親友の明里の余命宣告に揺れる。
泣き喚く明里。世の非情を代弁する彼女の心理。
その心に明るい光を灯したのが、大好きだった小説の執筆だった。
これは二人を繋ぐ小説の物語。
世の中には、悲しいこととか、苦しいことの方が圧倒的に多い。夢や希望なんて僅かにしか存在しない。
そのネガティブな思想が彼女の小説に影響するように、彼女の葛藤と本心とが、繊細な機微で揺れ動く描写が現実的で美しい。
その結末は、幸か不幸か。
そして素敵なタイトル回収。
一度でも小説を書いたことのある方ならきっと心当たりがある、共感が得られる内容となっている。
ライトな文体で紡がれる作家としての幽玄の境地をここで堪能しよう。