04 公式掲示板の閉鎖
ある意味、最高潮というべき、合作の競作まで見られるようになった、「ひぐらしのなく頃に」の公式掲示板ですが、原作ゲームの終了(最終回ともいうべき「祭囃し編」が公開されたこと)により、緩やかに勢いが減衰していくように感じました。
加えて、製作者さまの07th Expansionさまが新作「うみねこのなく頃に」を公開したことにより、公式掲示板もそちらの「うみねこ」の方へと投稿数が流れていっている印象でした。
……それからしばらくして。
「掲示板閉鎖?」
07th Expansionさまが公式掲示板を閉鎖することになりました。
ユーザの私からすると寝耳に水ですが、「ひぐらしのなく頃に」のヒットに伴い、漫画化、アニメ化等が進み、コンシューマーゲーム化もされる流れになってなので、著作権的にどうもよろしくなかったのでは、と思います。
二次創作という微妙な立ち位置の代物を、そのオリジナルの一次創作作品の公式掲示板で扱うってどうよ……ということなのでしょう。
まあ、ユーザたちはショックを隠し切れない感じでした。
しかし私はというと、「うみねこのなく頃に」をプレイしていたので、「ひぐらしのなく頃に」から離れていました。けれども、「うみねこのなく頃に」では二次創作をしようとする気は起きませんでした。起きませんでした、というか、初期の「うみねこのなく頃に」はガチガチのクローズドサークルもの(と私は思っていました)で、ちょっと二次創作の余地はないな、と感じていたのです。
また、リアルの生活が忙しくなったりして、何となく離れるともう駄目ですね。
継続は力なりと言いますが、逆に言うと継続していないと力が無くなります。
物を書く、ということから離れていき、少なくとも二次創作を書くことはなくなっていました。
そうこうするうちに閉鎖の時が来ました。
その閉鎖の時には、筆を執って掌編のSSを書きました。
手向けのような感じで。
閉鎖直前に投稿したので、管理者さん的にはさぞや鬱陶しかったろうと思いますが、この辺は自分なりにけじめとして、記念として投稿させていただきました。
さすがに哀しかったですね。
*
師走さんは掲示板にたまに見かける感じでしたが、活動の場を移しているみたいでした。特に挨拶することなく別れたまま、今に至ります。
これは、挨拶が無いことが悪いと言っているわけではなく、ネット上の集いである以上、それは仕方ないと思います。今でこそSNSやオンライン会議等ができる世の中ですが、当時はまだまだネットは発展途上。
今のLINEとちがって、既読未読が判らない、そういう掲示板でのやり取りが主流です。また、チャットも相手が来ないと意味がありません。
そういったこともあり、師走さんとは、特にさよならも言わずに別れることになりました。
別れると言っても付き合っているわけでもないので、特に意味はありません。でも、掲示板があった時のように、頻繁にやり取りするのはなくなりました。
たまにチャットでお見かけすることもありましたが、師走さんもお忙しかったのでしょう、会話することもなく、今に至ります。
やはり「ひぐらしのなく頃に」という共通の話題がもう「閉じている」ことが原因ですね。掲示板も閉じているし。
……そんなわけで、私の二次創作の思い出、他人の知らないネット上の二次創作の集まりの世界についての話は、これでおしまいになります。
特に山もなく落ちもなく終わりますが、実はこのお話を書くにあたって、師走さんが移った活動の場を見てみました。
そうしたら、師走さんはいました。活動を継続していました。
掲示板が閉鎖されて、そのまま書くことをやめてしまった私とはちがって、ずっと書いていたみたいです。
「素晴らしい」
そう感じました。
やっぱりあのネット上の集まりは――「雛見沢物語」はたしかにあったのだな、と感じられて。
私もまた負けずに、とまでは気張りませんが、師走さんにまた文章を見てもらえたら、同じように感じてもらえるよう、書いていきたいと思います。
そう、実はちょっと照れくさくて、挨拶していません。それに、いきなりgyroですと言っても、ネット上の出会いのことですので、にわかには信じられないだろうなぁ、と。
だから、この文章を投稿したら、折を見て――挨拶してみようと思います。
【了】
もしかして、師走ですか?私です。初めまして、あなたは。 ~二次創作スレッド「雛見沢物語」の思い出~ 四谷軒 @gyro
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