第40話 あとがき

 さよならはまるいかたち。最後まで読んでくださってありがとうこざいました。


 この小説は実はもうほぼ二十年近く前に書いた作品をリメイクしたものになります。そのために携帯をスマホにかえたりと変更した部分もありますが、一番変わったのはもともとは三人称で書いていた話を一人称で書き直したことです。


 一人称に差し替えるにあたって、主人公である浩一の感情をもっと表現する事を目指しました。この話はミステリー調の話ではありますが、実際にはそれほど多くの謎がある訳でもなく、未来を変えようとあがく浩一の感情の方が肝になっていると考えたからの一人称への変更でした。


 しかしそれに伴い三人称ならではの表現を差し替える必要性があらわれました。

 

 特にラストシーンとエピローグ。三人称だからこその書き方がされていて、主人公の浩一は意識を失っている中での描写でしたので、最後をどう描くかはだいぶん悩みました。


 ラストだけ三人称に戻すというパターンも考えたのですが、結果としてそれよりもこのお話のヒロインである桜乃の視点で描く事にしました。


 一人称での視点変更はどちらかというと混乱を招くため、あまり良い方法ではないとは思いますが、今回の場合はこれが効果的かなーなんて考えてました。


 同時につかみどころがない女の子を目指して描いていた桜乃の内心を描写する事ができて、それによって彼女の輪郭もはっきりして、魅力的になったんじゃないかなぁなんて勝手に思っているのですが、どうだったでしょうか?


 桜乃は私が描く他の小説のヒロイン達とちがって、感情をあまり表にださずに押し殺してきた少女になります。そのせいかはたまた私の力不足のせいなのか、昔からあんまり人気はないんですが、個人的には大好きなヒロインです。


 ですので彼女を好きになってもらえていたら嬉しいです。


 なんてなんて書いていたのですけど、完結間近になってなんと桜乃のファンアートをいただいてしまいました! イラストは近況ノートの方にアップしています。良かったら見ていってください! うひー。ありがたやありがたや……!

 

 そしてこの話が完結したこの日。冬まっさかりな訳ですが、このお話は夏のお話です。夏の話を今アップするとは時季外れもいいところですね。


 でもまぁカクヨムコンがね。ちょうどやっていたから、ついアップしてしまいましたっ。どうせ参加しても選考通過できないのですけど、それでも一つの機会だしなーと思って参加してみましたっ。結果がどうでるかはわかりきっているので気にしませんがっ。……ちょっとは気にするけど……けど。


 何にしてもここまで読んでもらえたというのは本当に作者としては嬉しい限りです。楽しんでいただけたでしょうか?


 もし楽しいと思ってくださっていましたら、良ければ評価やコメントも残していただけたら光栄です。


 次回作はまだ何も考えられていませんが、またみなさんの心に温かい何かを残せるようなお話を書けたらいいなぁと思います。


 ここまでおつきあいくださり、本当にありがとうございました。 

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さよならはまるいかたち 香澄 翔 @syoukasumi

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